こんにちは、オーディオも昔から好きなゆびきたすです!家電量販店で一般売りされているPC用スピーカーって欲しいものが皆無なんですよね
今回はパソコン用アンプ内蔵スピーカーのレビュー記事です。いわゆる「アクティブスピーカー」という製品。
音質のことだけを考えるとD/Aコンバーターにプリアンプ、そしてメインアンプからスピーカーケーブルを介してパッシブなスピーカーへと各パートを分けて環境を作るのが理想。しかし各種製品の個性の掛け合わせによる、ある意味何が飛び出すか分からない面白さがあるわけですが、逆にこれが面倒にも感じます。
そこでスパッとシンプルに利便性を考慮したスピーカー選びをしてみます。
以前はPCで音質を追求するなんて愚の骨頂、なんて思っていた時期もありました。なぜなら
ノイズだらけのPC環境で音質を追求しても良い音がでるわけがない(お金をかけまくれば別)
と思っていました。
さらに条件的に劣勢になることの多いニアフィールドのPC環境では以下のような難題があります。
以下順番に解説します
PCで理想的な音環境が難しい点
机上スペースに大きなスピーカーは設置しずらい
現在の机上スペースは幅1,400×奥行700mm程です。
つまり自ずと設置可能なサイズが決まってきます。
尚、現在使用中のモニターはLGの「34GK950F-B」でモニター外寸の幅が 819mmあります。
1400mm幅のうち残りは581mm 片側スピーカーの幅は290mm以下でないと設置できません。更に壁が近い為奥行寸法が大きい製品もNG。
こうなると犠牲になるのは小容量による「低音の再生能力」。
低音の量感はスピーカーのエンクロージャー(箱)の容積に比例するのでかなり分が悪い事になります。
ノイズだらけのPC内環境
- 電源ユニットからノイズ(対策が音室重視ではない)
- CPU/GPUなどの高速クロック回路による高周波等
- 冷却ファン自体もノイズ源
実際ピュアオーディオのアンプでは電源回路は完全にシールドされ様々な対策がされています。更にオーディオの回路に至っても銅シールドで輻射ノイズ対策されていたり。
昨今のPCのパーツはかなり対策がされていると言えますが、単品のコンポと比べると対策は数段落ちます。音質追及はいくら施しても青天井と言える為、コスパを無視した製品を作りにくいのが当然だからです。
スピーカーと壁との距離が近い傾向
机上スペース限定ですが、特にスピーカー背面にバスレフポート(低音増強用の穴)付きのスピーカーとで相性が出る場合があります。ボワンボワンとした締まりの無い低音になり易かったり無駄に低音が増強されて煩くなる、などです。
一般的にはポートのない密閉式のスピーカーの方が壁の影響は少なくなると思います。
視聴位置とスピーカー位置が近い傾向
これはスピーカーの正面に向いた角度から影響します。下は理想とされる視聴位置の一例。
左右のスピーカーを結んだ線を底辺とした正三角形の頂点となる位置で、左右スピーカーからの距離も同じで、音を正面から聴くことができます。
なるべくスピーカーを内向きにしたりと調整の幅はあるわけですが、モニター間が819mmで同じ距離を視聴位置からスピーカーまで取るのが現状厳しいです。そもそも机の奥行が700mmしかないのでなので机から離れないとベストポジションが採れません。
以上の事を踏まえつつ、ある程度目を瞑りつつはかなく求めた音質は
- コンパクトでも「そこそこの低音」が出ること
- コモらない事
- 中高音域もが明瞭で定位感が優れたもの
- 邪魔にならない(=アンプ内蔵)
- PC内部のノイズといった事はキリがないのでスッパリ諦める
結論としては「高いの買っとけ」と言いたくなりますが、ステップアップを前提として安価なものがどんな音を出すかからスタートした方が良いでしょう。
管理人は先の事情からモニター内蔵スピーカーで我慢していあましたが、かのコスパ最高と謳われる「JBL Pebble」を購入した2015年時点から心境が変化していきます。
1台目:JBL Pebbles
視聴をせずに購入に至るのはかなりのリスクとなるので、まずは安価な5,000円前後の物がどの程度の実力なのかという点。
購入したのはレビューでもなぜか超高評価のJBL製品です。
各所ユーザーレビューでは低音が良く出る、コスパ最高、という触れ込みでした。
ワクワクしながら聞くと低音というよりも中音より少し下の帯域が底上げされて前に出てくる感じの音質で、小さいのにパワフル!という感想を持ちました。
でもボーカルや楽器の位置感の表現である定位感がかなり下よりで音像がけっこうボケています。さらに中低音が強すぎてコモって聞こえるので音楽の種類によって相性がかなり激しいかなと感じました。
このスピーカーに合いそうな人:
- 極限まで小さくて、とにかくドカドカ鳴るのが好きな人(※但し大音量にはスピーカー自体が耐えられません)
- 鮮やかな高音よりも中低音の音量感が大きいのが好きな人
- USB1本で接続で超簡単!が良い人
- アナログ入力した場合よくある、PCシャットダウン時の「パツッ」音 (ポップノイズ)などの雑音が全くない
このスピーカーで気を付ける事:
- 左右を繋ぐアナログピンが結構短いので要注意 (間のアナログケーブルが約70cm強)
- 置く向き(立てたり寝かしたり)で結構聞こえ方が変わる。基本立ててJBLロゴが正面向く感じがベスト(だったような記憶)
コスパという面ではレビュー通りかなり良い商品だと感じました。初めてのアクティブスピーカーとしてはおススメ。
2台目 MACKIE CR3 モニター系
JBLのコスパの高さは秀逸だったものの、もうワンクラス上の明瞭さと低音感ももう少しカバーできるスピーカーを模索しました。
モニター用スピーカーのMACKIE CR3というスピーカーですが、筐体は明らかにJBL Pebbleよりも大きく、無理せず中音に影響なく豊かな低音再生ができるかな?という事で購入しました。
MACKIE CR3の仕様は
入力 :RCAアナログピン+バランスドorアンバランスド1/4 インチTRS インプット
再生周波数特性 :80Hz~20kHz
寸法:W140×D158×H208 mm(上写真のキクタニのDJ用スタンドは上下反対にして使用)
結論はJBLよりもさらに中低音が強い、という印象です。
背面にバスレフポート(穴)付きタイプですが、壁面が凄く近い事もありとくに中音域にも影響してかなりコモり感があります。エージング(鳴らし運転)で多少改善した気がしますが...
背面のバスレフ・ポートにスポンジを詰めて低音の量を調整したり、PC側からイコライザー調整してみたりしますが希望の音にならず難航。
このスピーカーの音質の追い込みは「壁との距離」「バスレフポートのチューニング」「インシュレーター」等中低音域の調整がポイントとなります。
イコライザ等でCR3自体の低音を絞りつつヤマハ製小型ウーハーを追加して低音域を専任させるつもりで繋いでみましたが、既存環境ではいくら調整しても音の繋がりが悪過ぎで断念。
そもそもウーハーの活用自体が、音の繋がりの事を考えると結構難しいので、もっと調整幅のある機材を導入してやらないと追い込むのは至難の技なのかもしれません。
尚、モニタースピーカーとうたわれるだけあり定位感はJBLよりかなり改善されました。
このスピーカーの良い特徴:
- 中低音がバリバリでる(量感がある)
- リズム感の強い音楽に強い
- 定位感は良好
- 高音域は比較的優しい(キツくない)
- 電源のオン・オフとボリュームスイッチが兼用で使い勝手良好
- デザインがシンプルでとってもいい!
このスピーカーで気を付ける事:
- 聴覚上かなり中低音寄り
- 引き締まった低音より量感重視傾向(音楽の種類と、環境の影響がかなり出やすい)
- 中高音の明瞭さはさほど感じなかった
- 電源オン・オフ時「パツッ」というポップノイズがやや大き目(仕様上アナログ接続の為)←僕はとても気になる方です
- 接続方式がRCAアナログ接続一択(一応1/4 インチTRS インプットがついているが当方その環境無し)
現在は廃番で後継商品にスイッチしています。
MACKIEの各種音響製品は「音響特機(株)」が輸入代理店として以下ほーページサイトにて発信されています。他にも様々な製品をラインナップしています。
出典:https://mackie-jp.com/cr-series/ より
3台目 そして本命登場「KRIPTON KS-1HQM」
KRIPTONだぁ?聞いた事ねぇなぁ~スーパーマン関係かな?
と思いつつもウェブでの高評価をチラ見してました。とくに直販サイトの評価はうさん臭すぎるほどの好レビューばかり。
そろそろ理想のスピーカーに巡り合いたい、ということで予算を上げてみました。ユーザーレビューやPCパーツ紹介サイト等を1ヶ月間ほど回遊しつつ最後の最後は【嫁神さま】へのお参りで何とか購入できることに。
実際に視聴した方が絶対に良い価格でしたが、KRIPTONはそもそも視聴できるところが見つかりませんでした。
入力USB2.0 / アナログ(ステレオ3.5φミニジャック)+光デジタル(TOSLINK)
再生周波数特性 70Hz~20kHz
寸法:W89.5×D105×H173 mm+台
わくわくドキドキしなら接続し音を出した瞬間。
し、しまった、なんだこの音は…また失敗してしまったか…
懲りないヤツなんだな、チミは。もう辞めとけ辞めとけ
しかし早まらないで下さい。
初音出し時では中高音ではハッキリ感や鮮やかさを感じましたが、管理人が求める低音感(量ではなくゴリッとした厚み)がかなり薄く、全体として特徴がそれほどない感じ。
前回のMACKIE CR3の再生周波数が「80Hz~20kHz」であったのを見ると単純にKRIPTONの方が低い音が出そうですが、スペック表から想像する音と聞いた感じの差が大きく、まさにオーディオの世界の洗礼。
つまりMACKIEの方が聴感上中低音感がかなり上でした。各周波数帯の特性や測定環境に依るって感じでしょうか。
しかしそこからスピーカーの内向き角度や壁面からの距離を調整したりしたりすると突如輝きのある音に。
また数日でエージングが効いたのか、全域のバランスが整ってみるみる理想の音に近づきました。
ちょっとした感想(個人主観です)
- とにかく中高域が明瞭で鮮やか。今まで聞こえにくかった音もハッキリ聞こえる
- 地を這うような低音はありませんがキレキレな中低音域
- 定位感がマジで素晴らしい
- 臨場感とか奥行感もハッキリ感じられる(音場感が素晴らしい)
- 音楽ジャンルは問わない感じ
- USBもしくは光入力では、更に引き締まり感が出る
ちょっとした弱点です(個人主観です)
- コンパクトかつ開発コンセプトからか低音は前2機種と比べて「量」が少ない
- できれば発展性を考えてプリアウトが欲しかった(パススルー)。ニッチな要望か
- 軽すぎて触っただけで向きが変わる(掃除の時とか毎度)
- リモコンが「あれっ」ていうくらい簡素質素チープ。別に気にしないさ。
このスピーカーの改善点として、「あともう少し低域の量感が欲しい」点ですが、前述MACKIE CR3の時試したヤマハのAV用のサブウーハーを追加してみました。
何とこれが大正解でした。
MACKIE CR3 の時はあれほど音の繋がりが悪化して音がバラバラだったのに、今回のKRIPTON KS-1HQM では見事に「音が繋がり」ました。
多少サブウーハー側とKS-1HQM側のの音量バランス等の調整は必要でしたが、せっかく買ったのに産廃化しそうなウーハーが生かせてよかったです!
尚、この時点でUSBや光での接続は諦めました。
デジタル接続時ウーハー等を追加で使う場合の注意点
- USB接続するとPCのウーハー用アナログ出力に音が出力されなくなってしまう
- つまりPCからの「USB or 光出力」+「(ウーハー等の)アナログ出力」は不可能
- 排他的な処理の為、上記現象は不可避
- 恐らくOSの仕様
回避策を色々調べましたが、どうやら当環境ではデジタル+アナログの同時音出しは不可能でした。しかしウーハーは絶対に接続したいので、KS-1HQM もPCの5.1ch用アナログ出力に接続しています。
このあたり「弱点」と書いた部分の「プリアウト(パススルー」があれば解決できるのになぁとないものねだりしてみます。
おまけ
購入当時疑問点がありメーカーにメールをした事がありましたが、1-2日メール返信+電話まで掛けてきてくれて説明をてくれました。
製品のクオリティーには関係がないのかもしれませんが、サポートの対応って今後愛用できるかどうかの切り分けポイントでもありますね!
このKRIPTON KS-1HQMも今では廃版になってしまったようで後継機種「KS-11」が発売されています。
KIRIPTONの公式サイトはコチラからどうぞ。
新型の「KS-11」はメーカー直販サイトのみでの取り扱いとなります。下の画像がメーカーのオンラインサイトへのリンクです。
出典: http://www.kripton.jp/fs/kripton/pc_audio_speaker/ks-11 より
そしてPCで音質を追及する場合、音の出口にまずお金を掛けてみるのはやっぱり昔からのセオリーだと感じました。
現状の音質に大いに不満がある場合、思い切って1クラス、2クラス上を狙う方が堅実かもしれませんね 。
補足:旧型となってKS-1HQMが安価に狙えないか?と思っても残念ながら中古しかなく若干プレミア感(?)がありお買い得感がありません。
ただユーザーレビューは参考になるかもしれません。
ではこれからも良いPC音楽ライフを!
では!