こんにちは!
中の人ゆびきたすです。
初のVRデバイス"Quest 2"を
体験してみました。
新しいデバイス好きなわりにVRは未体験。
映像機器はリフレッシュレートが高くてぬるぬる好き人間なので、VRは解像度が低くてリフレッシュレートが低いという先入観を持っていました。
一般向け製品として「HTC HIV」や「PSVR」が登場しVR元年と言われた2016年から今年で6年経過。
Quest2は元々「Oculus Quest2」で製品名で登場しました。
2021年のFacebook社の社名変更に伴いOculusブランドは消えMeta Quest2として再スタートという製品です。
そろそろハードウェアやソフトウェアの熟成も進んできたかなと思い体験してみることにしてみました。
・比較的高解像度モニターで見慣れている
・120Hz以上の高リフレッシュレート好き
・ゲームはマウスキーボード派
・音質も少し気になる
というゲーマーもどきの管理人が2020年10月13日発売のQuest2をテスト素材としてVR初体験レビューをしてみます。
今回テストした機材はブランド名がMetaと改称される前の2021年版「Oculus Quest2」。
ハードウェア的には変わりがないのでそのままMeta Quest2としてレビュー・テストしています。
当レビューでの大きなトピックは
- Quest2の仕様からQuestLink接続まで
- ケーブル選定に注意とおすすめ品
- 極端な前寄り荷重への対策
- 眼鏡の対策
の4つです。
特に眼鏡使いには非常に使いにくい部分もあるので別売りレンズを中心に対策をご案内。
目的のVivecraftも当記事で紹介しようと思ったのですが長文となったので別記事として分けました。
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Vivecraftレビュー Meta Quest2でマインクラフトVRの世界へ
ゆびきたす こんにちは!中の人ゆびきたすです。 噂のVRデバイス"Quest 2"でVRの新時代を体験。Quest2で、長~く楽しめるJAVA版マインクラフトのVRmod「Vivecraft」を堪能し ...
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今回のQuest2テスト環境は、古い世代ですが
- CPU/IntelCorei78700K@4.8GHz(クマメタル化)
- CPU用簡易水冷/FractalDesignCelsiusS24
- マザーボード/AsrockFatal1ty Z370 Gaming K6
- メモリ/CORSAIRDDR4VENGEANCELP(3200)X8GB×4(32GB)
- グラフィックス/GIGABYTEAORUS GeForce RTX3090MASTER 24G
にて動作の確認をしました。
この記事の主ターゲット
・PCのCPUとグラフィック・パワーを使う「Oculus Link」を使ってみたい方
・Steamゲームでハイリフレッシュレート体験したい方
・操作環境は椅子に座った状態で操作
結論としてはVR世界のすごさに驚愕したところでご紹介をスタート。
Meta Quest2の構成パーツと仕様
大まかに
- Quest2ヘッドセット(+眼鏡スペーサー)
- タッチコントローラ左右セット
- 電源アダプタ(出力5V/2A、10W)+充電ケーブル(タイプA-タイプC)
他はタッチコントローラ装着済みの単三乾電池、取説や保証書。
コントローラーはよく出来ていて手にとてもフィットする形状です。
付属USBケーブルはPCとのリンクに使えるか?と思いましたが、長さがたった1mほど。
これは充電専用と割り切が必要です。
主要スペック
大きさ・重さ | (ストラップ折り畳み時)W191.5×H102×D142.5mm /503g (ストラップ解放時) W191.5×H102×D295.5mm /503g |
プロセッサー | Qualcomm Snapdragon XR2(モバイル用) |
RAM(メモリ) | 6GB |
記憶容量(ゲームのインストール消費) | 128/256GB |
片目の解像度 | 1,832×1,9250 |
リフレッシュレート | 60/72/90/(Quest Link時)120 Hz |
使用可能時間 | 最大3時間 |
ディスプレー形式 | 液晶(旧型はOELD) |
トラッキング自由度 | 6DoF |
VR初心者にとってこれらスペックが高いのか低いのかよく分からない、というのが正直なところ。
管理人が仕様で気になったのはQuest Link時のリフレッシュレート。
120Hz駆動できればけっこうぬるぬる動作が期待できますね。
Meta Quest2の良かったところ
素晴らしい仮想現実空間
あらゆる方向にCG視界が追従するのはまさに仮想現実。
ただ想像よりは高精細な解像度感は感じません。
しかし眼前に広がる360℃の視界、まるでそこにモノがあるような臨場感こそが最大の魅力。
あぁこれがVR!
「百聞は一見に如かず」と正直に驚きました。
特に気に入ったのは高所から下を見下ろす場面。
管理人は没入し過ぎて机で頭をぶつけました(笑
今回のようにグラフィックボードが搭載されている場合ではQuest2とPCを直結するOculus Linkを使うと更に良さを引き出せます。
フレームレートを最大120Hzまで上げることで非常に滑らかな動きになり、より現実感が強くなります。
解像度が多少低くてもVRの良さをしっかり満喫できました。
意外にも音質は悪くない
こだわる場合は側頭部のバンドが薄めなのでヘッドフォンを併用できる形状になっています。
こういったモバイル系に近いデバイスではコストダウン対象になりやすいスピーカー。
しかしこれが意外に悪い物ではありませんでした。
低音の厚みや鮮やか高音域、分解能など分析的に聞くには性能はヘッドフォンに譲ります。
しかしモニターに内蔵されるような低出力なスピーカーと比べると充分な音圧と音質です。
なお音も含めてより没入感や迫力が欲しい時はヘッドフォンを併用推奨。
ケーブルレスのWifiも使用可 "Meta Quest Air Link"
時代はケーブルレス。
自由度を制限するケーブルレスでの運用も可能なところが美点です。
ただし5GHz帯(ACまたはAX)が必須となります。
また公式ではWifiの非メッシュ環境を推奨しています。
しかし管理人環境では有線バックホールによるメッシュWi-Fiという比較的電波の減衰に対策した方式ですが、別段支障はありませんでした。
Wi-Fi環境には留意点がありますね。
- テストしたWi-Fi環境
- ルーター:au純正(NEC製)Aterm BL1000HW
親機&子機セット:ASUS XD4(レビュー記事あり)
※有線バックホール接続/ ルーターと親機と子機間は全て有線接続
昨今のゲームは高解像度・大容量化しているため高リフレッシュレート目当てでは有線をおススメしますが、軽量なゲームや映画視聴で問題ありませんでした。
但しハイリフレッシュレートは諦めざるを得ないケーズもあります。
自分の手の動きさえ仮想現実:タッチセンサー
Quest2にはジョイスティックとトリガー部分に指が接地しているかどうかのタッチセンサーが内蔵されいます。
VR世界での自分の手指の動きがかなりリアルに表現されていて驚きました。
細かい部分ですがこういった細かい動きを現実動作に一致させることによって、より没入感を味わえると感じました。
Meta Quest2の注意点
ここでは購入前などに留意しておいてほしい点をいくつかご紹介します。
Quest2 Linkケーブルに注意
USB3.0規格のUSBタイプCなら何でも良い…ワケはなくいきなり商品選定を誤りました。
公式で推奨されているQuest 2 Linkケーブルはなんと1万円超え。
5mと余裕をもった長さというのもありますが、PCが手の届きかつ着座環境では長過ぎと感じます。
Amazonなどで探していると多くの対応ケーブルが出てきます。
しかし1回目に購入したケーブルはリンク不安定で使い物にならず。
Oculusソフトウェアにてケーブルのテストができるのですがまさかの「不安定」判定でした。
リンク出来たりできなかったりと言葉そのまま不安定動作で残念。
調べなおすと公式推奨の純正以外のケーブルがあるみたいです。
それが「Anker USB Type C ケーブル PowerLine」。
Amazonで見る限り最大3mなので動き回る人は注意です。
2回目にして正解にたどり着きました。
標準仕様のゴムバンドが使いにくい
ヘッドセットはバンド部除いて503g。
重いと感じるかは人によりますが、重量バランス的に極端に前寄りなのはやはり疲れを誘発させます。
ヘッドのずり落ちを直したり、またそれによる焦点ズレを直しながらのゲームだと正直最初の1時間でお疲れ状態…
その重量バランスの片寄りも相まってゴムバンドの支える位置が悪く、しっくりくるポイントを探すのがわりと大変。
ズレやすいのでムギューと締めると今度は眼球周りがすごくが押されるし、夏場は熱いです(笑
もっと後頭部の下側から支える構造にしないとズレやすくて落ち着きません。
ゴムバンドに関してはコストダウンのためだそうです。
これはオプションの固定具などで必ず対策をしたいポイントだと思いました。
対策としては公式にあるような「Quest 2 Eliteストラップ」のように後頭部やや下から支えてくれるオプションパーツを使うのがベター。
また後頭部側の形状が「X」形のROOX「HMDダイヤルストラップ for Meta Quest 2」も良さそうです。
4Gamer様などいくつかの有名メディアで紹介されていた製品です。
調整を簡単に行いたい場合ダイヤルの回しやすさなどもポイントですが、Meta純正のダイヤルはバンド部とツライチ形状でROOXのタイプはダイヤルが飛び出た形状。
直感的で回しやすいのはROOXタイプです。
ただし寝転んでVRしたいなんて方には後ろがフラットに近いMeta純正形状の方が良いでしょう。
ROOXのオンラインストアでしか販売されていないので気になる方は
・ROOX ONLINE HMDダイヤル ストラップ for Meta Quest 2
で見てみましょう。
眼鏡の対策:度入りレンズ
そして一番気になったのが「眼鏡」対応。
ヘッド部より先にバンドから被り、その後ヘッド部HMDをあとに被るケースだと盛大に眼鏡に引っ掛かるので大変です。
また眼鏡サイズによってはレンズに接触することがあるそうです。
同梱品に「眼鏡スペーサー」なる4mmレンズから距離を稼ぐパーツが一応付属してはいます。
しかし眼鏡とゴーグルのレンズに接触することはないので基本使いどころ無し。
液晶部から眼鏡までの距離が4mmかせげるだけで根本的に眼鏡とは相性悪。
試しに裸眼で装着すると当たり前ですが焦点が合わないので全然見えません。。。
そこで眼鏡の方が少しでも装着に関してストレスを無くそうとすると
- 先にヘッド部をあてがいながら後頭部バンドを被り、締め付け調整
- 別売りアクセサリーで度入りレンズを使う
しかありません。
いつも忘れてバンド側から被ってしまい眼鏡がいつも引っ掛かります。
ほかに非現実的なものとして「コンタクトにする」。
それができるなら普段からしていますよね…
この度入りレンズに関してはMeta純正としては日本では正式販売されていないようで、公式のカートの購入リンク先も英語サイトになります。
購入先としては現実的ではありません。
なお度入りレンズは先のROOXでも販売されていますし、アマゾンや楽天でも販売はされているようです。
適当な度数のものを注文してしまい焦点が合わないと目の疲れを更に誘発。
しっかり目の状況に合わせた製品を購入する場合は、眼科や眼鏡屋さんで診察すればもらえる処方箋の情報が必須。
例えば以下のようなものです。
上写真の「球面度数(SPH)」「円柱度数(CYL)」「円柱軸(AXIS)」の値を申請します。
申請記入する場合、項目が「S」「C]「AX」と略したりしている場合もあります。
このデータをもとにカスタムレンズを作る流れになります。
少し手間ですがこれで眼鏡の一切の煩わしさから解放されます。
アマゾンでは格安の汎用品が多くありますが、どの程度その人の視力にフィットできるか未知数で手を出しにくいです。
その中で眼鏡SHOPらしきセラーが販売しているブランドがありました。
もしくはオプションのストラップで紹介したROOX ONLINEショップでも販売中。
以下にリンクを貼っておきますのでご参考に。
・ROOX ONLINE 乱視対応オーダーメイド 近視補正レンズ for Meta Quest2
留意点:スペック上の解像度
モニターとVRの解像度の感覚は全く違います。
おそらくQuest2は両目でほぼ4Kだと期待すると裏切られるかもしれません。
Quest2は片目解像度1832×1920
(両目で単純計算3,664×1,920で視野角100°)
しかし意外にプレイ中は解像度の感覚はほどほどに意識の外にある感じで大きな違和感はありません。
わざと解像度を分析的に見ると、実は言われるほどの高精細さは感じません。
Oculusの技術陣トップ層の話では視野角180°で少なくとも片目16K(両目32K)は必要とのこと。
VR映像を現実と見間違えるまでのレベルはまだまだ。
更なる高解像度・これからに期待ですね。
Quest Linkの設定
Quest2をPCに接続して使える状態にするには
Metaアカウント取得 Oculusソフトウェアのインストール - 対応USBケーブルの接続、QuestLink接続のテストでケーブル判定
の3つの作業を行います。
MetaアカウントとOculus ソフトウェア
Oculusのソフトウェアのインストール前にMetaアカウントを作成。
もしくはスマホのOculusアプリをダウンロードして作成の方が簡単かもしれません。
Oculus
Meta Platforms, Inc.無料posted withアプリーチ
表示に従って入力・登録して終了。
次にソフトのインストールです。
公式からダウンロードしてダブルクリックしてインストール開始。
更にガイダンスに従ってインストールしてログインします。
このソフトでOculus Linkケーブルの通信速度テストが可能です。
最後に重要な設定1つ。
- Quest2と外部プログラムを連携するため必須作業
- Oculusソフトウェアで設定>一般>提供元不明 の項を適用(ON状態)にすること
VRソフトやゲームによってはこの設定をしないと起動できない場合があります。
検証に使ったゲーム Vivecraftもこの作業が必ず必要になります。
Oculusソフトウェアでは以上で終了。
このあとSteamゲームをする場合はSteamVRのインストールをします。
SteamVRに関しては別記事「Vivecraft レビュー」でまとめて紹介しています。
・Vivecraftレビュー:Oculus(Meta)Quest2でマインクラフトVRの世界へ
まとめ:いくつかのゲームでVR体験
いくつかゲームをしてみましたが難易度が高いと感じたのがレース系ゲーム「Assetto Corsa(アセット・コルサ)」。
ハンドルコントローラーなどを駆使するのがベストですが、スペースの問題でXBOX用コントローラーを使っています。
ハンドルほどの操作性はないのですが慣れればソコソコ走れます。
ところがVRになるとモニターで見ている感覚と違い過ぎて操作タイミングが高難易度です。
もしかしたら操作遅延がXBOXコントローラー(こちらも無線)と違っているからかもしれません。
操作性を考えるとSwitchにあるような丸いハンドルを模したオプションがあると面白いかも。
ただそれを差し置いても走っている臨場感は素晴らしいの一言。
難易度は高めですがレースやドライブするゲームの没入感も圧倒的です。
今回非常に楽しめたJAVA版マインクラフトのVR mod「Vivecraft」はまさにマイクラの世界に入った感覚が大変楽しめました。
四角いボクセルの世界が現実にあったとしたこんな感じ、というのが分かります。
Vivecraftの導入方法なども以下別記事を参考にして下さい。
-
Vivecraftレビュー Meta Quest2でマインクラフトVRの世界へ
ゆびきたす こんにちは!中の人ゆびきたすです。 噂のVRデバイス"Quest 2"でVRの新時代を体験。Quest2で、長~く楽しめるJAVA版マインクラフトのVRmod「Vivecraft」を堪能し ...
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Quest2の良さはPC 接続によって
- 適度な解像度で素晴らしい臨場感と及第点の音質
- グラフィック性能によってはハイリフレッシュレートでぬるぬる体験可能
- 5GHzWi-Fiでケーブルレス運用も可能
- 最後にPC接続で対応ゲームが多い
ということでPCと連動させることで、どちらかと言えば省電力なモバイルデバイス仕様のQuest2の処理能力を気にせずVRゲームが可能です。
気になる点・注意点としては
- QuestLINK用のケーブル選定に注意
- ズレやすい固定方法に弱点
- 眼鏡を併用する場合使いにくい
などが挙げられます。
総評として2022年後半時点でハードウェア・ソフトウェアとしてVRの素晴らしさを満喫できるハードウェアだと思います。
価格アップ、前作からコストダウンなどマイナス面もありますが、総じて大きさや重さ、スペックなど非常にまとまりの良い製品です。
また発売後2年ほど経ち枯れてきておかしなバグや不安定な挙動も特になかったことを追記いたします。
中国メーカーのPico4など今後更にコンパクトで軽量なVR機器が登場するでしょう。
2022年後半でそろそろQuest Pro(Quest2の上位版)も動き始めそうです。
Proの方は10万円は軽くオーバーという、価格的にかなり高くなるという噂もあります。
Quest2は入門機器としては残念ながら高価になってしまいましたが、Proの想定価格を考えるとなおメインストリーム製品と言えるでしょう。
新しいゲーム体験、そして仮想現実の世界に足を踏み入れてみたい方はMeta Quest2を体験してみてはいかがでしょうか。
では!
PC接続メインなら64GB(旧Oculusブランド。現在公式廃止モデル)か128GBが良いでしょう。
Quest2単体でゲームをしたいなら256GBと容量アップしておいた方が無難。