
全国の12V-2x6コネクタアンチファンの皆様、こんにちは!
一時期、個人輸入しようか迷っていたグラボ監視デバイスである【Thermal Grizzly WireView Pro II】ですが、ウダウダしていたらオリオスペックから国内販売されたので購入してみました。
各社電源ユニットでは12V-2x6コネクタ融解を防止する機構などが盛り込まれたものが販売されています。
管理人が現在使用しているのはAsrock Taichi TC-1300Tという製品です。
要はGPU側の12V-2x6コネクタにサーミスタ( 温度センサー )が組み込まれていて、公式公開情報ではないものの95℃から100℃くらいで強制シャットダウンされるというもの。
多少安心感はあるものの歴然と「コネクタやケーブルの破損を防ぐ機構」としては次の問題点があります。
- ケーブルの耐熱温度は105℃に対し、コネクタ自体の耐熱・融着温度が不明
- 溶融事故は電源側とグラボ側の2ヶ所が想定される
- 特定のPINの電流や温度が急上昇 > 初期に気づかないケースが多い
問題多き12V-2x6/12VHPWR規格ですが、メーカーがやり方を変えてこない以上高額なグラボを守れるのは自分たちしかいません。

大多数のユーザーには問題発現しないようですが、対策だけはしておきたいところ
WireView Pro IIのザックリ概要

| ヘッダー | |
|---|---|
| 本体材質 | CNC加工アルミニウム筐体( 放熱も兼用 ) |
| 本体表示部 | 320×170ドットTFT-IPSのカラーディスプレイ搭載 |
| 冷却機構 | セミパッシブ30mmファン / 温度と電力負荷がトリガー |
| ファームウェア更新 | 付属USB-C-USB2.0 ピンヘッダ ケーブル(60cm) |
| 警告方式 | 音声と視覚による |
| シャットダウン方式 | 付属スプリッタ( 分岐 )ケーブルによる( Power or Reset ) |
| データロガー関係 | データは60秒ごとに記録 / 内蔵メモリ:約340日間の連続使用、または通常の動作で約3~4年間 |
| 保証 | 購入日から2年間( GPU保証も含む ) |

保証規定には「おぉっ」という感じです!
Thermal Grizzly WireView Pro IIの大きなトピックは次の6点です。
- 12V-2x6 コネクタのピン単位電流監視
- 電流・電圧・温度・消費電力のリアルタイム表示
- ピン電流や温度の不具合を検知すると、音とディスプレイ部で警告
- 付属スプリッターケーブルによる自動シャットダウン連携
- 自動データロギングとPC向けソフトウェア連携
- WireView Pro IIだけではなくグラボ保証もついている( 条件あり )
おまけとして「セミパッシブ冷却ファン内蔵( 30mm )」内蔵である点も挙げられます。
なおデータロガーに関しては故障が発生した場合の診断や今後開発に利用されます。
本体右サイドの上寄りにある小さ場ボタンによって表示切替可能です。
※短押しで表示切替、長押しで設定に入る(超やりにくいので非推奨 )

すこし残念なのはソフトウェアでこの表示を切り替えできなことでしょうか。ケースの蓋を閉めてしまうと、切り替えが若干面倒。

2026年6月現在 国内販売しているECサイト
2026年6月現在、管理人が購入したオリオスペックのほかに
Thermal Grizzlyの日本正規代理店でもあるTechAce(テックエース)でも販売されています。
Thermal Grizzly WireView Pro II GPU 電力モニター TG-WV-P2-H19N(ノーマル)
Thermal Grizzly WireView Pro II GPU|GPU電力モニターTG-WV-P2-H19R(リバース)

ラインナップは全3種
まずセンスPINとコネクタラッチの向きに合わせて2種類あります。なおそれぞれブラックとホワイトのカラバリが存在します。

管理人のグラボはリバースタイプでした。

3つめのモデルは【 Wire View Pro II Wired 】。40cmの12V-2x6Vケーブルが直付けされています。
本体の裏面と底の面を見てみると通常モデルと異なっているのが分かります。
まず斜め横から見ただけでも厚みが異なります。

まず裏面にはグラボへ挿す凸の12V-2x6コネクタが出ていません。

下面には、グラボへ接続する直付けのケーブルのほかに、12V-2x6メスのコネクタが1つあります。
ここから手持ちの12V-2x6Vケーブルを使って電源ユニットへ挿します。

本体がグラボに直接固定されないため、取付位置の自由度の高い製品で、いくつか固定用のブラケットが付属しています。

12V-2x6Vケーブルの接続は以下のように行います。

他モデルと同じくタイプC( 反対側はUSB2.0ピンヘッダコネクタ )やオプションサーミストも挿せます。
また公式互換リストでノーマル・リバース共に「不可」とされたグラボに対しても使用できるのがWiredモデルの特徴でもあります。
The WireView Pro II Wired features a permanently attached, 40 cm power cable that is plugged into the graphics card's 12V-2x6 connector. This makes the WireView Pro II Wired compatible with all available graphics cards equipped with a 12V-2x6 connector, including NVIDIA Founders Edition cards.
(訳)
WireView Pro II Wired には、グラフィックス カードの 12V-2x6 コネクタに差し込まれる、40 cm の電源ケーブルが内部で直結固定されています。これによりWireView Pro II Wired は、NVIDIA Founders Edition カードを含む、12V-2x6 コネクタを備えたすべてのグラフィックス カードと互換性を持ちます。
そのため公式のWiredのページではノーマル/リバースモデルであったページ下部の互換性リストは無くなります。
Thermal Grizzly WireView Pro II Wired GPU Power Monitor
WireView Pro IIで設定できること
デフォルトでも問題ありませんが、デバイス保護のための以下の点を変更できます。
- コネクタ温度の閾値
- PINの電流値の閾値
- 状態の改善ができない場合、自動シャットダウン( リセット )までの待機時間
ほかにアプリケーション自体の設定も可能で、Windows起動時に自動起動や自動タスクバー収納などを指示できます。
初のグラボ保証までついてくる!
こういった保険的なデバイスでの事故が発生すると、責任問題でトラブってしまいがちです。
WireView Pro IIにはデータロガーとして長期間のデータ保持を可能としており、故障診断に一役買います。
そしてグラボ保護デバイスで世界初なのが、その保証内容です。
保証について
WireView Pro II には法定保証および標準のメーカー保証を超える延長保証が含まれています。
保護機構が組み込まれているにもかかわらず、グラフィックス カードの 12VHPWR または 12V-2x6 コネクタに損傷が発生した場合、Thermal Grizzly によって修理が行われます。
修理が不可能な場合は同等の交換品が提供されます。
この保護は、元のグラフィックス カードの保証期限が切れた後も適用されます。
保証請求には、ユーザー マニュアルに従ってGPU メーカーが定義した動作パラメータの範囲内でデバイスが適切に使用されていることが必要です。
延長保証期間はご購入日から2年間です。
とは言え、公式を見ただけではどこから請求の問い合わせをするのかが不明。コンタクトフォームから行うのだと思いますが、まずは購入元への問い合わせが先です。( 管理人の場合オリオスペック )
WireView Pro IIの取り付け概要
取り付けには10分ほどで完了しますが、一部環境によっては少し大変なケースもあるでしょう。
それは自動シャットダウンを機能させるためのスプリッタケーブルと同ケーブルやタイプCケーブルをWireView Pro II自体に接続するタイミングです。
方法としては以下の順番が良いかと思います。前提として「自動シャットダウン機能」を使います。
※オプションのサーミスタセンサーは未使用
まずはお手元にマザーボードのマニュアルを用意しておきましょう。

自動シャットダウン用スプリッタケーブルを接続

マザーボードのケースパネルとの接続コネクタにWireView Pro II付属の分岐ケーブルを割り込ませます。
マザーボード直挿しの場合は、グラボ下付近の狭いパートでの作業なのでちょっと面倒です。
幸い管理人環境のZ690 Aorus Extremeではマザーの純正延長ケーブルで、接続部をケース裏に配置しているので比較的作業性は良かったです。

なおLED系のコネクタと異なり、POWERにしてもRESETにしても電顕系のボタンはプラスとマイナスが反対でも動作します。
RESET側への接続であれば強制的に電源を瞬断させます。
瞬断だとOSへのダメージが…なんて心配な方はPOWERの方でも可能です。
ただPOWER側に割り込ませる場合、OSのコントロールパネルで「電源ボタンを押すとシャットダウンする」設定にしておく必要があります。

このケーブルをグラボ側へと通しておきます。
USB-C~USB2.0ピンヘッダをマザーボードと接続
本体をグラボに挿す前に各ケーブルをWireView Pro IIへ接続すること!
最後にグラボにWireView Pro IIをさして動作チェック
WireView Pro IIのディスプレイ表示

電源が入るといろいろなサイトで見た写真と同じ表示がなされます。
デフォルトはすべての項目を表示するメイン表示です。
本体右サイドにあるボタンを押すことで表示を切り替えます。
切替画面は全部で5種類です。





WireView Pro IIの注意点
融解対策として非常に有効なのには間違いありませんが、万能ではありません。
気を付けておきたいポイントを紹介します。
- WireView Pro IIのケーブルの向きに2種類あり
- アクティブロードバランシングは無し
- 通常環境では事前テストができない
- 電源からGPUまでの接点が増えてしまう( 対策製品あり )
- 寿命が未知数である
WireView Pro IIの端子の向きに「ノーマル」と「リバース」がある

カンタンに言えばセンスピンとラッチの向きの組み合わせがコネクタの上か下の違いです。
メーカーで想定されている取り付け方は「12V-2x6コネクタやUSB-Cコネクタが下向きになる」ことです。
そしてディスプレイ表示には180°回転機能があります。ということは…

ケーブルを上向きに出したい場合は、公式互換表の反対を買えばOKです
ということで、ノーマル、もしくはリバースのどちらかに自身のグラボが記載されていれば取り付けOKということになります。ケーブルの向きだけ確認してください。
そしてわずかながら非対応製品もありますので必ずチェックしましょう。
以下リンクの最下段に互換情報が記載されています。
サーマルグリズリーWireView Pro IIモニタリングデバイス
ロードバランシングではない

効果のほどはさておき、電流量を平滑化しようとする機能は付いていません。
ちなみにロードバランシングを謳った製品には、aqua computer「AMPINEL」やASUS の「ROG Equalizer」があります。

aqua computerの製品は積極的に電流値を平滑化しようとするアクティブ・ロードバランシングに対応。

なおROG製品はロードバランシングというより17Aもの高電流に耐える高耐性ケーブルのようなイメージかもしれません。
ただしWireView Pro IIではあえてロードバランシング機能は搭載しなかったという解説があります。
ロードバランシングを行うには、抵抗を増やして電流を強制的に調整する必要があります。
しかし、これは新たな発熱源になったり、全体の電圧降下を引き起こしたり、あるいは別のピンに負荷を集中させる原因になる恐れがあります。
こういった新たなリスクを生む可能性を考慮し、Thermal Grizzlyでは異常の早期検出と安全装置としての役割に特化するという判断で開発を行ったのです。

そのメーカーなりの考え方で開発されていますね
一般ユーザーでは事前テストできない

電子機器なので自分に届いた製品が正常に機能するか試したいところではあります。
しかし現状電流を任意に不均衡にさせて温度を急上昇させる手段に乏しいためテストができません。

メーカーを信じての一か八か的な側面もありますね
とは言え、この手のトラブル防止として成立するデバイス全般に言えることではありますが…
なお実際の動作を見たい場合、開発協力したドイツのオーバークロッカーであるder8auer(Roman Hartung)氏が再現している動画があります。( 該当箇所から再生されます )
接点が増える

管理人が最も懸念するのが接点の増加。
電気回路はできるだけ物理的な接点が少ないのが理想ですが、Wire View Pro IIを間に挟むことで電気的な接点が増えてしまいます。
とくに接触不良を引き起こす可能性が増えるため、十分に注意したいポイントです。

ちなみにケーブル付のWire View Pro II Wiredというモデルも同じです
と言っても剛力で壊さないようにせねば
耐久性は経過観察

安全装置だけに末永く壊れずにいてほしいですが、Wire View Pro II自体が電気製品なのでいつかは壊れます。
しかもハイエンドになるほどにケース内の高温にさらされ続けます。
世界中で相当数販売されていると思われるので、海外ユーザー含めて経過観察しかありません。
まとめ:転ばぬ先の杖スタンダードになるか
今回の記事では【 Thermal Grizzly WireView Pro II 】を紹介しました。
世界で幾度なくコネクタ焼損や溶融、ケーブル破損などが取りざたされている困った規格12v-2x6vですが、メーカーやAIOがこのコネクタを変更してこないため、3rdパーティのメーカーたちがが業を煮やして開発。

初めはケーブルを鋭角に折るな!とか騒がれましたよね
今日では各ピンの流れる電流に不均衡が生じ、特定ピンが過熱してしまうのが原因、というところまでたどり着きました。
そして電流値に不均衡が生じる変数はいくつもあり、事前にユーザーがそれを見抜くのはほぼ不可能です。
ロードバランシングで電流を平滑化するべきと考えるメーカーと、常時ピン電流値や温度を監視し、異常時は早期にシャットダウンさせてコネクタやケーブル破損を防ぐことが最適解と考えるThermal Grizzlyとアプローチが異なります。
Thermal Grizzlyはロードバランシングについてはアンチテーゼを呈し、ファームをドンドンアップデートしていくなどその姿勢にどのくらい共感できるかも商品選択のカギとなります。
どちらにしてもシステムがアラートを発し、シャットダウンしたときにその恩恵を得られたと感謝するに違いありません。
そういった意味では予備の12V-2x6Vケーブルを持っておくと切り分けができそうです。
さて Thermal Grizzly WireView Pro IIが転ばぬ先の杖として、

スタンダードデバイスになるか生暖かく見守っていきたいと思います!
では!




