こんにちは、ゆびきたすです!夏場のPCパーツは頭を悩まします…
2021年当時は極冷えな巨大ヒートシンクもなく、基本的に板状の製品がほとんど。グラフィックカードを高消費電力に交換したあたりから限界が垣間見えます。
その中でもKryo M.2ヒートシンクは板型のシンプルな構成な製品にしては冷える良品でした。しかし高発熱体なパーツがだんだんと増えてくるとフルロード時の温度が非常に厳しくなってきます。
かくしてヒートシンクのアップグレードを図りたくなるわけですが、
形が似たような製品群じゃ格段の性能アップは難しんじゃね?
そこで最終手段は「m.2の移設」であったわけです。なおこの手法は昨今のGen4やGen5 SSDには当てはめることはできません(Gen3 x4まで対応)
2024年現在では巨大ヒートシンク製品が登場していますのでそちらをおススメします。こちらはGen4 SSDであっても両製品ともかなりの冷却能力です。ただしSSD周りのスペースがかなり必要なのは泣き所であったりしますが。
あれこれ対策してみた結論
しかし問題はm.2 SSDをどうやって「移動」するかというところにハードルがあります。その要望を叶えるパーツをくまなく探した結果、ニッチすぎて唯一無二の製品を発見。もちろん中国メーカーの格安品なので、製品のバラつきや初期不良は覚悟が必要です。
前提条件・環境
構成(一部):Windows10 Pro ×2式
マザーボード(下記画像のレッド部分)・・・Asrock Fatal1ty Z370 Gaming K6(CPUは8700K@4.8GHz殻割済+簡易水冷 Fractal Celsius S24)
ストレージ(下記画像のイエロー部分)・・・m.2 NVNe WD SN750/1TB ×1枚(下スロット)、同じくNVMe WD SN550/1TB ×1枚(上スロット)
グラフィックカード (下記画像のダークグレーー+ブルーの部分)・・・RTX3090 他ケースファン複数(下記画像の細いダークグレーとベージュ部分)
1台のPCでSN750/1TBとSN550/1TBにそれぞれOS購入・インストールして使用中です。
使用している古いマザーには2ヶ所m.2 SSDを刺す場所があります。(以下画像は真横から見た構成間略図)
半透明の矢印はエアーの流れです。
グラフィックカードのバックプレート直上位置(CPUの下位置)に刺して使用する方のm.2の方の温度をモニタリングしていたのですが、グラフィックカードに負荷が掛かるような使い方をすると余裕の常時60℃超えでビックリ!
尚、SSDは素の状態ではなく、レビュー評価が良い「Aquacomputer kryoM.2 ヒートシンク」を以前から使用しています。
グラフィックのバックプレートで加熱される
GTX1080Ti(グラフィックカード)のバックプレート近くのスロットへ装着していたWesternDigital(以下WD) SN750ではゲーム時で最高70℃、低発熱なSN550では最高68℃。SN750の方が発熱量は大きいのでグラフィックカードのファンの高さ付近のスロットへ移動。これによって温度が5度以上改善することもありました。
更なる対策として冷却の為の小型ファンを使って送風することでもう2~3℃ダウンまで下げることができました。
しかしその後導入したRTX3090は更に高熱を発します。
- ファンの数を最大3個に
- SSDのコントローラー付近に送風
- 送風方向を変えてみる
- ファンの向きを吹き付けにしたり、吸出し方向にしたり変更
涙ぐましい無駄な努力の甲斐もなく、実際には均3~4℃位の温度低下が限界でした。
カー用品コーナーでステーを購入して自作のファンステーを作ったところ。
下の画像はCPU直下のm.2スロットのSSDにKryoヒートシンクを装着した上で小型ファン吹き付けをしているところ。しかし思ったより温度が下がりません。そもそもバックプレートから放熱される強烈な熱気を吸ってしまうので効率が悪いのかなと想像しました。
小型ファンは諦めてm.2 SSD自体を移動できないか?
しかし悩ましい問題がありました。
延長するにしても
- 固定するところがない
- 長さの調整が不可
- ハーネス部はそこそこ硬いので曲げすぎは危険
長さのバリエーションはありませんでした。ちなみにハーネス部の長さは約200mmです。
そこで我が家で在庫過多になっている長尾製作所とアイネックスのファン固定ステーを使ってみます。ただもともとファン用のため、固定しようにも穴も何もありません。仕方がないので厚手の強力両面テープでショートな長尾ステーに貼り付けました。
なおステーの脚の底面には超強力マグネットがついています。SSDは超精密な電子部品なのでマグネットが隣接しても大丈夫なのかは不明。しかし半年ほど使ってみた感じでは特にエラーなどもありませんでした。
固定には以下の商品を使用しました。
m.2のスロット根本付近は以下のような感じです。固定方法はm.2 SSD自体の固定と同じ固定方法です(M2×2mmのネジ)。
簡単に固定したい場合はm.2 SSDを固定したファンステーのマグネットをケースのシャシーににくっつければOKです。更に冷やしたいと思い、ファンの近くに設置してみました。
結果的には前面ラジエターをサンドイッチした排気側ファンの直後に固定する事に。
まずロングタイプのファンステーの、底面のマグネットを外し(固定はネジなので簡単)、ケース前方のHDD固定部分に空いている穴に固定します。
内側はこんな感じです。
そして合体させました。
なるべく平べったい延長部が捻じれないようにする事が注意点でしょうか。ケーブル類の位置等で環境によっては難航すると思います。
予想通りの冷え冷え具合、というよりは周りの熱の影響が少ないという結果になります。なお全て昨年12月に行った作業、かつ温度計測したもの。室温19℃時点でのベンチのログを貼っておきます。
今(5月中旬)は室温26℃で当時の+7℃ですが、概ねm.2SSDの温度も+7~8℃くらいです。
各ファン回転数の微調整で、CPU・グラフィックカードが全力を出している状態でも最高48℃まで抑える事ができました!
デメリットの1つと予想していた書き込み・読み込み速度の低下はほ無さそうで安心しました。現在使用し始めて約6ヶ月間。
耐久性も気になるところですが、壊れたらこのブログで報告しようと思いますw
最大のデメリット
工夫次第で、熱源から離せるという安心感からも最後の砦としては有効になりそうな製品です。しかしデメリットが大きいかなぁと思う点もあります。
- 取り付けがケースバイケース過ぎる
- エアフローが厳しい小型ケースには向かない
- 見た目がカッコ悪すぎる
見た目や作業の時間はあきらめ、温度低下を必須としないと手を出しにくい製品というのが正直な感想ですね。何かほかの用途があったら教えてほしいです(笑
それでも管理人は手軽に冷やせるSSD移設でおよそ1年間使いました。その間はエラーなどの不具合は一切なかったことを付け加えておきます。
まとめ
2024年現在ではSSDを移設する必要性がほぼありません。なぜならヒートシンクは巨大ながら非常に冷却性能が高い製品が数多く発売されているからです。ただしSSD周りのスペース確保が必須ですが。
しかしながらエアフローがそれなりに確保されつつ、うまく固定場所があれば、有効な手段の1つだと思います。
スペース的にデカいヒートシンクつかねーよ!
とか
いっそケース隙間から外へ出してしまおうか!?(ミニサイズPCじゃないと無理かも)
というような場合には最後の手段として考慮してもよいかもしれませんね。暑い夏は毎年やってきます。冷え冷えなSSDライフを考えてみてください!
では!
現在ではさらにケーブル部が分割していて、ケーブル長自体が40cmのもの販売されています。さらに使いどころがある製品かもしれませんね。品質の良し悪しは置いておいても、こういったアイデア品は中国パワーを感じます。