こんにちは、時短家電大好きゆびきたすです!
2階にいると宅配が来ても気づかない…を解消したい!
普段は気にもしない設備「ドアホン」ですが、使用用途をジックリ考えて導入すべきもの。例えば家を新築したあとに「こうしておけば良かった」の1つがドアホンです。
現在までカメラ付きの玄関子機1台+室内親機(モニター付)1台という構成です。
VL-SV38Xというセット品として販売されている商品です。
ここ数年宅配の受け取りや集荷などの頻度が高くなり、特定の部屋でしか応答できないと非常に使い勝手が悪く感じてきました。
- 宅急便の集荷依頼をしたとき
- 今か今かと待ち焦がれている宅配便
- 友人知人が訪ねてくるとき
このようなケースで2階や別室で作業していると気づかないことが多く、タイミングを取りこぼすと双方にとって大きなロスです。
来宅時間がある程度わかっているときにはドアホン親機のある部屋にいればよいのですが、他のことに手を付けにくいのが難点です。
改善策としては、もし既存機に拡張性があればモニター親機に別室の拡張モニターを増設する方法があります。
しかし別室へのモニターの増設には基本的に配線工事が必須となります。さらに最近の住宅の壁内には断熱材がミッチリ詰まっている場合もあり壁内工事は非常に困難さを伴います。
新築工事の際「CD管」という配管が組み入れられていないと隠蔽配線は基本的に不可能でしょう。
希望の設置場所の付にくCD管が配置されている必要もあります。
以上により 2階への通信用の配線(2芯線タイプ)を壁内に新たに工事を考えると厄介なので除外しました。
そこでより短時間かつ低コストで設置が可能なワイヤレス子機付きのドアホンセットをネットで探してみました。
置き換え前の構成および設置状況は以下の通り。
- 玄関にカメラ子機1台
- 室内1階にモニター親機1台
- それぞれが壁内の2本の単線(2芯線)で結線済み
- 室内モニター親機の電源は100V直結(VVF線/2芯)済み
目に見えるパーツはモニター親機と玄関のカメラの2点です。
この構成に別階の部屋1ヶ所で応答できるモニター付き子機を加えた構成にするのが今回の目的です。
- カメラ玄関子機×1台
- 室内の1階のモニター親機×1台
- (1階のモニター親機と接続できる)ワイヤレス子機×1台
の3点構成のパッケージ製品で、【VL-SWE210KL】という製品を入手してみました。ワイヤレスタイプの子機であれば親機からの電波さえ掴める距離と場所であれば自由に移動できるのもメリットです。
なお既設品がパナソニックだったため特にこだわりもなく同メーカーとしましたが、ほかに通話機器で有名なアイホン株式会社なども有名で同じ構成のパッケージが存在します。
適合の可否:まずは配線状況を確認
まず玄関のカメラユニットと室内親機の接続方法は2つ。
- 2芯線という2本のケーブルで接続
- ワイヤレスで接続
このどちらかのパターンです。
ちなみに音声通話のみの【インターホン】も(1)と同じ構造をしているパターンなので交換が可能です。100V以下の低電圧の電源供給と同時にデジタルorアナログのパルス信号などを同時に伝送しています。よく考えたら2線だけでいろいろ通信できて面白いですよね。
なお既設製品が(2)の無線かつ信号用の2芯線がないパターンでは今回のVL-SWE210KLは接続できません。
まず室内親機の裏の配線がどうなっているかを確認します。
室内の親機を上へスライドすれば取り外せます。裏で配線がつながっているため力の入れ具合にご注意を。
(参考)壁側から見た写真で、金具は壁にネジ止め固定されています。左側がモニター部上部と見てください。
金具の差し込み部分がモニター側の穴に引っ掛けられる仕組みで、これは他社も同じような固定の方法です。
実際にパネルと外したところ。上画像のように2本セットの電線が2種類以上接続されている場合は高確率で「(VVF線で)100V直結かつカメラユニットが2芯線で接続」されています。
普通に室内モニター親機からコンセント用の電源プラグが出ている場合にも取り付け可能です。
付属品に上画像のような電源プラグケーブルがあるのでこれを室内モニター親機に取り付けます。
またドアホンまわりには様々なオプションが接続されている場合もあるので、何が接続されているのか把握します。
複数の接続がある場合にはモニター親機との適合性が問われるので注意が必要です。
新設機器、そして既設機器の【拡張用の端子】を見るとかなり違いがあります。新設側(VL-MWE210)には
- A接点出力・・・リレー回路のようなもので、光るチャイムなど接続可
- 外部入力・・・火災・ガスなどの各種警報器を接続可(移報接点アダプターが必要なケースあり)
の2つしかありません。既設のほうが拡張性が高いです。
以上のように2種類の2芯線のみの接続であれば作業は簡単です。
100Vの直結電源の作業を行うには電気工事士免許が必要です。
VL-SWE210KL 無線子機付きのドアフォンの概要
主たる構成ユニットは先の章で上げた3点で、カメラまでの2芯線が施工されていることが条件になります。
もともとのVL-SV38XL【室内VL-MV38X+玄関VL-V522L-S】と比較しても玄関子機・室内親機ともにサイズは全く同じです。
- 室内:(旧)VL-MV38Xおよび(新)VL-VL-MWE210・・・縦186×横143×厚23.5mm
- 玄関:(旧)VL-V522L-Sおよび(新)VL-V523・・・縦131×横99×厚31.5mm
パッケージ内は先のメイン構成のほかに
- モニター親機用:壁掛け用木ねじ(φ4mm×長16mm)×2本、壁掛け用小ねじ(φ4mm×長25mm)×2本、壁掛け要金具×1個、コード付き電源プラグ(コンセント給電する用)
- カメラ玄関子機用:木ねじ(φ3.8mm×長20mm)×2本、小ねじ((φ4mm×長25mm)×2本
という付属品の構成です。
VL-SWE210KLとVL-SWZ200KLのちがいは?
ちなみに似たような製品で【VL-SWZ200KL】という商品もネットで見られます。商品説明や写真を見ても違いがさっぱり分かりませんね。
- VL-SWZ200KLは一般向け商品
- VL-SWE210KLは電材販売店向け商品
だけという違うになっており、性能や内容は全く同じ。そのため安価なほうを購入すれば良いです。
2024年01月現在【VL-SWZ200KL】のほうが2,000円弱お安くなっています。
2芯線が既設なら交換方法は意外と簡単
既設品からの交換である場合、難しくはありません。やるべきリストは3つあります。
事前に「ドアホン」にかかわる該当しそうなブレーカーを落としておきます。
【やや簡単】玄関子機を取り外して2芯線を元通り結線
カメラ付き玄関子機の取り外しは簡単です。とりあえず観察してみます。
カメラの下端に四角の蓋があり上側に開く構造になっています。このビスを1本取り外せば玄関子機がごっそり外せます。
※2芯線が結線されているので注意して外してください
上の画像のハイライト部分の2芯線を取り外し、カメラユニット自体を撤去します。なお固定ねじの上部付近に「1」・「2」と番号が振られています。
まずは施工説明書に従い、新設カメラを一度バラします。取説中の「露出ケース」は既存のものを再利用するので今回は使いません。
固定ねじ付近に1番2番と番号を振っているので元のカメラと同じ番号に同じ色の線をネジ止めします。
※室内モニター親機の端子にも同じ番号が振られています
次にカメラの位置関係の仮調整。上の写真は既設カメラの裏です。パナソニックの当該製品は左・右および上方向に調整できます。
既設のものは左真横に調整されていました。
ほかの人に協力してもらい、カメラからいろいろな距離で確認。
今回は左やや上へと調整しました。カメラに近づいた距離やその人の身長によっては顔が見切れるからです。
ちなみに右上や左上に調整すると映像がゆがみやすくなるそうですが、管理人は気になりませんでした。
カメラ側の角度調整の幅を使い切ってもうまくいかない場合、下記のようなベース台自体に角度のついた調整用のケースも販売されています。
適合情報は公式のコチラ(1302A)とコチラ(1301A)から確認できます。
結線したらカメラを一度固定しておきます。化粧パネルはまだ付けません。室内モニターで角度に問題ないかを確認した後に行います。
【注意】カメラの化粧パネルは全作業完了後に取り付け!
新設のカメラVL-V523では、固定ねじ用の簡易的なカバーがなくなっています。
カメラの化粧カバー全体を外す構造に変わっています。
カメラのフェイスカバーの裏側。6ヶ所のひっかけ爪があります。
プラ製の爪だけでかみ合うタイプなので若干外しにくいです。再度化粧パネルを取り外す場合、小さ目なマイナスドライバーなどを使ってテコの原理で浮かします。力の入れどころには注意がいりそうです。キズが気になる場合には薄い「あて布」など挟めてコジりましょう。
【電気工事士免許必須!】室内親機を取り外して2芯線を元通り結線
上の写真は取り外した既設のモニター親機の裏側です。パナソニックでは年式が近ければモデルが変わっても同じ構造で、固定用金具もまったく同一でした。
モニター親機を上側へスライドさせて取り外せます。
一度も外していないので非常に固い場合もあります。その場合あて布を当てがってゴムハンマーなどでコツコツと下から優しく叩いてスライドさせます。
モニター親機を取り外せたら結線を2種類行います。
- カメラ玄関子機と接続される2芯線の接続
- 100VのVVF線、もしくは電源プラグケーブルの接続
まず(1)の2芯線。
上の画像の黄色丸をドライバーの先などで押してロックが外し、2芯線を抜き差しします。2芯線のプラスおよびマイナスも同じように新しい機器に接続します。
※ドライバーでの押し込みを離せば配線をロックされる
次に(2)100VのVVF線。
抜くのは上画像の赤丸の部分をマイナスドライバーの先端で押しながらVVF線を引き抜きます。
ここは挟み込むバネ荷重が高く、ロック部が電線に強く食い込んでいることもあります。抜くだけの作業でも難儀するケースも。
抜けたらガイドの溝に沿わせて先の赤丸の部分を押しながらVVF線を挿し込みます。ロックが効いているか必ず確認をします。
最後にモニター親機を金具に対して下へ向けてスライドさせ固定。
ただここでは少しだけ引っかかる程度に仮固定だけしておきます。すべての動作の正常稼働を確認して完全に固定します。
【超簡単】2階もしくは別の部屋に無線子機と充電台設置
コンセントに充電台の電源プラグを挿すだけです。
今どきの製品なのだからUSB充電対応にしていればもっと良いのですが。
【最終確認】通電後カメラ角度を確認
すべての結線と(仮)固定が完了したらブレーカーを入れ通電させます。モニター親機が正常に起動し、映像・音声の確認を行います。ここでカメラの撮影角度を確認。写真のように不審者がきれいに視野内に収まっておけば作業はほぼ完了。仮固定したものをすべて完全に固定します。
完全にワイヤレス方式でドアフォンを新設したい場合の妥協案【取付簡単タイプ】
電気工事士免許不要で楽に作業できるのは構成ユニットがすべてワイヤレスの場合かつ乾電池などで電源供給するタイプです。
しかしパナソニックの親・子ともにワイヤレスのセット品は
- 無線カメラ玄関子機1台のみ
- 無線室内モニター親機1台のみ
の構成のものしかありません。
ちなみにアイホン株式会社もラインナップはほぼ同じです。
「配線工事不要」というキーワードで探すと下記がヒットします。
【Panasonic VS-SGZ20L】というモデルで、モニター親機は普段充電台に置いておくタイプです。
特徴は以下のようになっています。
- ワイヤレス玄関子機は最大2年間電池交換せず使用が可能
- ワイヤレスモニター親機とワイヤレス玄関子機の無線接続により配線工事が不要
- 留守中の来訪者を確認できる録画機能を搭載
- 夜でも来訪者の顔が確認できるLEDライト搭載
- ワイヤレスモニター親機で家じゅうどこでも来客応対可能
パナソニックではワイヤレスなカメラ子機とワイヤレス室内モニター親機に加えてワイヤレス子機がついたモデルは存在しませんし、増設も不可です。
【VS-SGZ20L】は同社製で唯一モニター親機を持ち運べるモデルです。
実はパナソニック製では「配線工事不要」というキーワードではもう1機種ヒットします。
上の公式サイトの「室内側の電源接続」を見るかぎり乾電池での駆動が可能かと思いきやモニター親機はコンセントケーブルでコンセントに挿す、もしくは100V直結となります。
乾電池で動かせるのはカメラ玄関子機のみで、そもそも子機の増設もモニター親機の移動もできないので代替案にはなりません。
まとめ
「2階にもドアホンがほしい!」を調べてみてみました。
- カメラ付き玄関子機
- モニター付き室内親機
- モニター付きのワイヤレス子機
この3点構成にすることで、ワイヤレス子機を使って別階・別室でも応答できるようになりました。固定型の子機ではないため自由に移動できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
既にドアホンおよびインターホンが設置されている場合には、交換作業は意外に簡単で取付方法自体もシンプルです。
自身でサクッと作業したいところですが、室内モニター親機が「100V直結型」の直結電源で接続されている場合には電気工事士免許必須の作業なのがネック。
しかしわざわざ1階に待機する必要がなく非常に快適になります。
普段の生活ではこういった少しの手間をコツコツとなくすことがQOL爆上がりの第一歩です。
意外に気にしたこともなかったドアホン、構成を少し変えるだけでとても便利です。来訪者を気にせず安心して仕事にも遊びにも集中できますね。
では!