こんにちは、ゆびきたすです!皆さん、普段使っている充電器は満足ですか?
家族持ちだと1ポートタイプは選択しずらい…
近年スマホをはじめ、タブレット、USB充電対応のノートPCなど充電器自体の存在がQOL(生活の質)にも影響してきています。
例えば
起こるシチュエーションだったりします。
そのため「MAX120Wで充電がバカ速い」スマホのXiaomi 11T Proを選択した理由でもあります。
中国メーカーであるがゆえに危険視されたり揶揄されたりもしますが、使い勝手としては上々。
特に充電容量は1桁なんて時でも、専用充電器であれば10分ほどでかなり充電できてしまう俊足さ。
しかしこの高速性は付属の充電器+ケーブルに限った組み合わせで実現しています。
突然この専用充電器自体の故障も考えられます。
またPDに対応スマホに対応充電器を購入したりしたこともありますが、充電が速かったり遅かったりと安定しない個体もありました。
以上からハードウェア選ばず高速な充電器は無いかと探してみました。
その1つが今回のUGREEN Nexode 100Wです。
実際に使ってみた結論は
それでは製品仕様から各端末でテストした様子をご紹介いたします。
なお商品説明などでよく見かける【GaN=ガリウム窒素】とは半導体の一種ですね。
いままの半導体では「シリコン(Si)」が主流ですが、そのシリコンと比較して
- 低発熱・放熱性が良い
- 電力効率が高い
などメリットも多いものです。
当ブログでもインテルCPUやグラフィックカードを紹介していますが、これらに使われているのはそのシリコン半導体。
そのメリットからGaNは次世代型と言っても良い新世代半導体です。
実際にはすべてにおいてシリコンに勝るものではなく得手不得手があるので適材適所といったところでしょう。
UGREEN Nexode/GaN X100Wの仕様
まず外見的な仕様は
- サイズ 約6.9×6.9×3.3 cm
- 重さ 235g
充電容量もさることながら口数も多いため大きくて重めです。
対応している入力電力やプロトコルやに関しては
- 入力 100-240V~50/60Hz 最大2.3A
- USB-Cポートプロトコル PD3.0(PD2.0) / QC4+(QC4.0/QC3.0/QC2.0) / PPS規格 / AFC / APPLE 5V2.4A / BC1.2
- USB-Aポートプロトコル SCP/ QC3.0 / AFC / FCP / APPLE 5V2.4A / BC1.2
と非常に多くの規格に対応しています。
BC1.2などもあります。
次に各ポートの充電能力。
- 1ポート出力:USB-C1/C2 5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/5A 最大100W;PPS規格: 3.3~21V/3A
- 1ポート出力:USB-C3 5V/3A、9V/2.5A、12V/1.88A 最大22.5W;PPS規格:3.3~5.9V/3A、3.3~11V/2A
- 1ポート出力:USB-A 4.5V/5A、5V/4.5A、5V/3A、9V/2A、12V/1.5A 最大22.5W
- 2ポート出力 C1+C2ポート:65W+30W;C1/C2+C3/Aポート:65W+22.5W
- 3ポート出力 C1+C2+C3/Aポート:45W+30W+22.5W;C1/C2+C3+Aポート:65W+10.5W+10.5W
- 4ポート出力 45W+30W+10.5W(5V/2.1A)+10.5W(5V/2.1A)
一覧だと分かりにくいので公式の図が分かりやすいでしょう。
複数の差し込み口があるタイプの充電器では、差す場所によって充電能力が違ってくるのは注意点ですね。
ケース①Xiaomi 11T Pro バッテリー:5,000mAh
Xiaomi 11T Proは現存するスマホの中でもバッテリー容量は最大級に近い容量。
これを通常の充電器でチマチマと充電していると時間のかかり方が半端ではありません。
なおXiaomi 11T Proは2023年1月現在すでに旧モデルになっていますが、新型の価格がかなり上がってしまった今、総合的にはコスパで優れる一品かと思います。
中国精鋭機 Xiaomi 11T Pro レビュー:今更使ってみた - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)
当モデルの最大の特徴は「最大120W充電」可能な専用充電システム。
しかし20分かからず満充電できてしまう俊足ぶりは使い勝手の良さの1つ。
充電器裏の仕様によると最大で20V/6A(=120W)です。
この高電圧+大電流によって最大120Wの高速充電を実現しています。
実際の計測においても公式発表に近いおよそ18分強で充電できています。
さて今回のUGREEN Nexode 100Wではどのくらいの電流特性で充電できているのか見てみます。
最大で60W強で充電していました。
電圧は概して18V前後。
Xiaomi独自規格のせいか、少しだけ期待した最大100W充電はできないようです。
(使用した簡易USBテスター/ルートR RT-TC6VABKは20V/5Aで最大100Wまで計測可)
Xiaomi公式を見ても充電仕様を詳しく記載していなくてPDなどの文字もありませんでした。
Xiaomi 11t Pro 120w Xiaomi Hypercharge
しかし普段20Wほどの充電器を使用していたため、60W超の充電はやはり「速い!」の一言。
バッテリー残ゼロの状態からの100%表示までの時間はおよそ34分でした。
またほかのPD非対応の充電器では画面には%表示のみですが、UGREEN Nexode 100W使用時は「高速充電」という表記が現れました。
因みに専用MAX120W充電器では「120W MAX」表記になります。
なお試しに5V充電器+通常のUSB-Cケーブルの組み合わせに刺してみると
画面上では%表示のみで7~8W(5V/1.5A)ほどで充電。
更に安価な製品(5V/MAX2.4A/USB-A)だと5W前後でした。
0%で端末が落ちてから充電スタートし、最終的に100%表示になったのはおよそ34分ほど経過したときでした。
実はこの状態でも「満充電」ではなく、ここから電圧を絞りつつ時間をかけて満充電に向かいます。
ケース② iPad mini6 バッテリー
続いてApple iPad mini6。
バッテリー容量は公式によると「19.3Wh」とのことです。
そもそも単位の「Wh」とは何ぞ?ということですが、これを一般的に表記されている「mAh」という単位に直してみます。
- Wh = mAh × V ÷ 1000 つまり mAH=Wh ÷ V × 1000
そしてモバイル製品のリチウムイオン電池自体の多くが電圧およそ3.7Vであるため、
- 求めるmAh=19.3(Wh)÷ 3.7(V) × 1000=5,216
およそ5,216mAh前後だと思われます。
(ネット上では5,214mAhとの記載を見かけます)
また充電規格PDの存在ですが、iPad mini6の公式サイトに仕様上は謳っていないようです。
しかし手持ちのいくつかの充電器で確認したところ、5V、9V、12V、15Vなど複数電圧での充電に対応しているようなので実質対応なのでしょう。
充電器が対応していれば15Vで充電可能のようです。
(純正20W充電器は9V給電仕様)
メーカーサイトでは発見できませんでしたが、iPad mini6は30W級の充電に対応との情報が散見されます。
バッテリー保護のため通信しながら賢く充電するので電圧や電流量はバッテリー残容量によって変化すると思いますが、どのタイミングで行っても何故か30W付近になることはありませんでした。
ケース③ その他スマホ
4,570mAhかつPD対応製品
サンプルとしてシャープ Sence4(SH-M15)では
PD対応ということで期待していたのですが、それほど高速でもないようです。
なおシャープのサイトを見ても充電仕様は記載が全くありませんでした。
当該デバイスには同社製SH-15という充電器を推奨しているようですが、こちらの仕様は
- 5V/3A(MAX15W)、7V/3A(MAX21W)、9V/3A(MAX27W)、12V/2.25A(27W)
と記載されています。
シャープ製汎用のためSence4がどの規格を使っているのか不明ですが、テスターで見る限り5V/3Aかなと想像。
劣化気味のiPhoneX
古い機種ですがAppleスマホでも確認。
バッテリー容量は2,716mAh
充電電圧は9Vかつ12~14Wあたりで充電されています。
因みにiPhoneXは14~15Vくらいで充電できるらしいのですが確認すると9Vでした。
当端末のバッテリー容量が85%程度に劣化・減少していて、バッテリー保護のためでしょうか。
UGREEN Nexode/GaNを使う上での注意点
- USB-TypeCケーブル=PD対応ではない
- ケーブルには3A/5A仕様と2つがあり、60W超の急速充電には5A必須
- サイズは重め・大きめ
当製品に限らず、必ずケーブルも高速充電に対応した製品を使うことが必須。
1つ目は「USB-Cであれば高速な充電」みたいによくある勘違いでもあります。
実際USBには規格・仕様が多種多様すぎて誤認識しやすいですよね。
高速充電を行うために必須となる確認事項を挙げてみます。
①USB-C規格のみならず対応ケーブルが必須
今回検証に使っているUSB-C to USB-CケーブルはANKER製でPD3.0対応Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブルという製品です。
Ankerサポートに直接問い合わせて最大20V/5A/100Wに対応を確認しました。
このケーブル、つるつるの麺という表現がぴったりな非常に滑らかな手触りで高質感を演出してくれる良品。
かさばらない、引っかからないってこんなに良いものなのですね。
通常ケーブルにはある程度反力みたいなものがありますが、Flowケーブルは「ふにゃぁ~」とした感触で柔らかで取り回しが最高です。
またeMarkerに関する情報の記載はありませんが、該当チップは内蔵。
eMarkerとは?
第940回:eMarkerとは - ケータイ Watch (impress.co.jp)
USB3.1以上に対応するUSB Type-Cケーブルに内蔵されているICチップ。
ケーブルの製造者情報や通電容量といった仕様データが登録済で、接続機器から読むことが可能。
このチップによってケーブル特性が通信できることにより、ケーブルの能力を超える電流が流れることを防ぎ安全に充電できる仕組みです。
安全性を考慮してeMarker付ケーブルを選択するのが良いでしょう。
ただしeMarkerに関しては公式サイトで大きくうたっていない製品が多いのが難点ですが…
次にUSB-C to ライトニング ケーブルはAnker PowerLine II USB-C & ライトニング ケーブルという製品。
(実はUSB-C to USB-Cと同じ「Flowシリーズ」と揃えたつもりが間違えて購入したもの)
ライトニングケーブルもフレキシビリティあふれるFlowシリーズでそろえるのが使い勝手の良さでもグッとアップするのでおススメです。
またAnkerのライトニングケーブルは、「Apple MFi認証」チップを搭載し安全性を担保。
(粗悪なケーブル排除のため、かつ高速なSerial Port Profile接続に対応をうたう認証規格)
以上のように高速充電器のパワーを安全かつ存分に使うため対応ケーブルで揃えましょう。
②ケーブルには3A仕様と5A仕様が存在
実際に流せる電流量で2つの仕様があります。
仕様で「PD3.0/〇〇W対応」と謳うものは20Vを想定すると、3A規格で60Wまで、5A規格で100Wあたりが流せる電力値上限となります。
今回のUGREEN Nexode 100Wのような100W級の充電器の場合は、5Aケーブルでないと能力を発揮できない可能性がありますのでご注意ください。
USB-PD3.0の電圧・電流の関係性に関してはRENESAS様のページの一覧表が分かりやすいと思います。
③サイズ感・重さはそれなりに…
外出する際はできるだけ手荷物はコンパクトにしたい!
そう思うことが多いのですが、なかなか存在感があります。
またコンセント部分は直刺しタイプになるので、コンセント周りが狭い場合には注意が必要。
しかし余計なケーブルが生えていないのは持ち運びには少し有利ですね。
ただ昨今1人で複数デバイスを持ち歩くことが多くなっていると思うので、デバイスがUSB-Cで統一されていればコレ一つでまかなえますね。
より軽くコンパクトなモデルとなると、Anker 737 Chargerが単ポート100W対応でライバル機とも言えます。
2ポート合計120Wとよりハイクラスですが、価格もハイクラスなのがネックでしょうか。
まとめ
バッテリーを傷めず、1分でも早く充電してほしい。
ご紹介したUGREEN Nexode/GaN X100Wは、高速充電に対応したケーブルを使用することで高速なだけではなく安全に充電が可能です。
そして4口(USB-C×3、USB-A×1)あれば家族旅行などでもこれ1つで賄えそうです。
今回組み合わせたAnkerのFlowシリーズのケーブルではカバンの中で絡まって大変なんてことも避けらます。
旅行や外出の充電問題の不安がひとつ無くなりますね。
「充電機器なんてどれも変わらないのでは?」
そう思っていたあの懐かしい日…
デバイスの進化は素晴らしい!
では!
今回の電圧などの簡易テスターとしてルートRの製品を使用。
本体から少しだけケーブルが出ていて、直刺しテスターよりもUSB端子部の保護になりそうということで選んだ製品です。
詳細/簡易表示モードや上下反転表示などの機能があり。