
こんにちは、毎日欠かさずスティックSSD使っているゆびきたすです!
当記事では年間240日i以上仕事でスティック型SSDを使う管理人が、速度や使い勝手をレビューしてみます。
今まで使っているのが、数年前に2,000円台前半でバカ売れした【 エレコム ESD-EMA0250GBK 】という製品です。大変便利に快適に使えていますが、用途を間違えると使い勝手の悪い製品にもなります。
以下のレビューでも言及していますが、スティック型SSDは大容量・大量のファイルの書き込みは少々苦手な様子です。
まず一番目に手にしたスティック型はサンディスクの1TB SSD( Made in China )ですが、その温度の高さにビックリした製品でもあります。
2番目に使用したのが先のエレコム ESD-EMAシリーズ( Made in China )で、同じくキャッシュ切れもしくは高い温度によるサーマルスロットリングが厳しく用途によっては速度低下が大きいと言える製品でした。
さらにその後にレビューした同じエレコムの【 ESD-EMC0250GBK 】( Mide in Taiwan )は、前2製品よりも速度で満足。しかしやはり温度が非常に高く最高80度を超えます。
Gen 4やGen 5 のNVMe SSD等を見ても、もはや高速性と低温性能は両立不可能と言えます。
スライド機構のスティック型を避けた理由
そんなかな、2023年12月から使ってきたESD-EMA0250GBKのスライド機構が破損してブラブラに。端子部を支えながらじゃないとPC( やハブ )に挿せなくなり、乗り換えることに。
今回はスライド機構を避けることにしました。
計算上、240日、毎日最低3回はスライド操作を行うため、240×3=720 で約700回くらいの耐久性という感じです。雑に扱うこともなかったのですが、1,000回のスライド操作は厳しようです。
そこでAmazonを探しているとベストセラー的なスティック型SSDを発見。表示速度は「最大1050 MB/s」、恐らくはシーケンシャルリードという連続したファイルの読み取り速度を表しているのだと思われます。


速度は速いほどなんかイイ!
スペック厨な管理人は試してみたい気持ちがムクムクと。しかしメーカー公称値、シーケンシャルと思われる速度は誇大な部分もあります。
実際の作業時の速度とは乖離することも多く疑問に感じることも。それを今回のレビューでお披露目します。
購入の決め手になった次点としてキャップ式である点。
キャップ式はカバー部が割れたり紛失してしまうリスクはありますが、ひとまずキャップ無し状態でも取り扱い上は支障が出ないことが決め手。管理人は持ち運びには小さな巾着のようなポーチに入れているので最悪キャップ無しでも問題なしですね。
TS-ESD310Cシリーズの概要

ブランドメーカー有名なTranscendで1989年発の台湾のメーカー。
そもそも十数年前に国産よりも格安なSDカードの出現で目を引き、「こんな安価な外国製で大丈夫か?」と思った記憶があります。それが今なお前線で製品を送り続けており、【 Transcend 】の名で一定のブランド力を築いたと言えるでしょう。
さてTS-ESD310Cシリーズには4種類のラインナップがあり、中身のSSD自体は容量によって調達メーカーが異なっている可能性が高いでしょう。ただし容量による読み込み・書き込み速度は同一となっています。
ちなみに当シリーズはTranscendのプレス記事からも分かる通り、発売が2023年5月とすでに2年以上経過している古参の商品と言えます。
| 容量 | 型番 ( Amazonは末尾に-C付 ) | 読み込み速度(シーケンシャル) | 書き込み速度(シーケンシャル) | 保証期間 |
|---|---|---|---|---|
| 128GB | TS128GESD310C | 最大 1,050 MB/s | 最大 700 MB/s | 5年間 |
| 256GB | TS256GESD310C | 最大 1,050 MB/s | 最大 900 MB/s | 5年間 |
| 500GB | TS500GESD310C | 最大 1,050 MB/s | 最大 900 MB/s | 5年間 |
| 1TB | TS1TESD310C | 最大 1,050 MB/s | 最大 950 MB/s | 5年間 |
| 2TB | TS2TESD310C | 最大 1,050 MB/s | 最大 950 MB/s | 5年間 |
シーケンシャル速度を見るに、128GB、256GB&500GBグループ、1TB&2TBグループで内部SSDのチップ構成が大きく変わっている可能性が高いでしょう。今回は真ん中の性能である256GBモデルをチョイス。
flash_idで中の情報が見られるか試してみました。
Model: TS256GESD310C-E
Fw : Y0328A02
Size : 244198 MB [256.1 GB]
Model : ESD310C /TS256GESD310C-E
Rev/sn : 1000/
Size : 244198 MB [256.1 GB]
Controller : SM2322XT (from firmware)
FW version : Y0328A02
Bank00: 0x45,0xff,0x9a,0x3,0x7e,0x64,0xa,0x1e - Sandisk 112L BiCS5 TLC 16k 4096Gb/CE 1024Gb/die 2Plane/die
Bank02: 0x45,0xff,0x9a,0x3,0x7e,0x64,0xa,0x1e - Sandisk 112L BiCS5 TLC 16k 4096Gb/CE 1024Gb/die 2Plane/die
意外にも中国製ではなくSandisk(≒WD)ブランド112層Bics5、つまりKioxia製の第5世代TLC NANDが搭載されているようです。現在は第8世代まで進んでいるため、古い世代ですね。
続いてCrystalDiskInfo ( v.9.7.2 )で情報を見ると「あれ!?」という箇所が。
リード1,000 MB/s、書き込み950 MB/sを超える性能ならば通信プロトコルは確実にNVMeのハズが、内部ではSATA通信の表示になっています。

想像ですが、USBチップやコントローラーの相性で正確な情報を取得できていないのかもしれません。それともSiliconMotion( SMI )のコントローラーチップのせいでしょうか。謎。
TS256GESD310C レビュー!その速度は…
以下の計測を行います。
- Crystal Disk Mark ( v.9.7.2 ) …1 GiB / 64GiB テスト
- 3DMark StorageBenchmark ( ゲーム・録画用スコア )
- ブータブルUSBでのOS丸ごとバックアップ( 圧縮書き込み )
- DiskBench ファイルコピー 5GB/50GB100GBパターン
- iPhone 16 ProMAXで100GB超をファイルコピー
- AmorphousDiskMark でストレージベンチ 1 GiB / 64 GiB @Macbook Air
- Blackmagic Disk Speed Testでストレージベンチ ~Macbook Air
- (おまけ) HD Tune Pro (v6.10 Trial )で全域書き込み
今回はUSB-C接続も兼ね備える製品のため、iPhoneとMacbook Airも加えてテスト。
Crystal Disk Mark ベンチマークテスト
まずはベンチテストの定番ソフトで確認。指標にはなるけれど、体感ではその数値を感じにくいので、管理人はあまり重視せずですが…
吹き出し=まぁ最近のSSDで体感速度をべらぼうに感じることってほぼないですが
1GiBと64GiBで見てみます。
まず1GiBの方のシーケンシャルはほぼ公称通りですが、ランダム性能は至って普通、というか低めのように感じます。

64GiBになると書き込み速度が大きくダウンするため、キャッシュ切れか、高温によるサーマルスロットリングの可能性がありそうです。

この後のすべてのテストで分かりましたが、温度表示が60℃で止まるところから、センサー感知の上限は60℃のようです。
そのため、実際に何℃まで上昇しているのか読み取ることはできませんが、手で触ったみるとかなりの高熱になっているようです。
3DMark StorageBenchmark

いつかSteamゲームの保存先として使えるかも!?と思いつつ、過去記事でも3DMarkのベンチソフトを使用しています。
なお公式では実際のゲームパフォーマンスのテストを行っていると解説されています。
テスト項目は以下の通りです。
| テスト項目で使われるゲーム | テスト概要 |
| Battlefield V | Battlefield™ Vの起動からメインメニューへの読み込み |
| Call of Duty: Black Ops 4 | Call of Duty®: Black Ops 4の起動からメインメニューへの読み込み |
| Overwatch | Overwatchの起動からメインメニューへの読み込み |
| ゲームムーブ Counter-Strike: Global Offensive | Counter-Strike®: Global OffensiveのSteamフォルダを外付けSSDからシステムドライブにコピー |
| ゲーム対戦記録 Overwatch+ OBS | OverwatchをプレイしながらOBS(Open Broadcaster Software)で60FPSの1080pゲームプレイ動画を録画 |
| ゲームのインストール Epic Game Launcher + The Outer Worlds | Epic GamesランチャーからThe Outer Worldsをインストール |
| ゲームセーブ The Outer Worlds | The Outer Worlds でのゲーム進行状況のセーブ |
以上を踏まえたテスト結果です。

スティックUSBとしてはまずまずでしょうか。以前テストしたエレコム ESD-EMCシリーズやESD-EMAシリーズ、そしてサンディスク SDSSDEシリーズを上回りましたが、速度1,050MB/s!というインパクトから想像する上昇値ではありませんでした。
ただ60℃制限のセンサー表示も考慮すると、結構熱くなっているためゲームストーレージとして使うのは少々不安といったところ。
ブータブルUSBでOS丸ごとバックアップ
テストで使ったソフトは10年くらい使い続けているParagon SoftwareのHard Disk Manager。
※基本バックアップはブータブル環境からしか行わないため、OSにはインストールしていません
バックアップは圧縮しつつ書き込みを行うため、比較的時間がかかる作業です。Cドライブのおおよその使用量は227GBでこれを圧縮書き込みします。

そしてバックアップテスト後の圧縮ファイルの総容量は157GBでおよそ30%小さくなりました。

- 掛かった時間は 21 分 07 秒
- 圧縮を含む平均書き込み速度は 約124 MB/s
ずいぶん遅く感じるかもしれませんが、過去使ったスティックSSDでは1時間を軽く超えてもバックアップが終了しない製品もありましたが、十分なスピードと言えます。圧縮作業もあるためCPU性能なども必要になります。
今までのスティックSSDの想像を超えるものではないものの、容量さえもっとあれば「十分使える」と判断できます。
しかし例えば内蔵別ドライブののNVMe SSDへのバックアップは同じ要領・ステップを踏むと
掛かった時間は 分 秒
平均書き込み速度は MB/s
となり相当の速度差があります。
外部ストレージに対してバックアップ速度をより重視する場合には以下のような単品NVMe-SSDと外付けケースを組み合わせて使うのがベストです。

価格が割高にはなり、かつM.2方式での内臓NVMeSSDでのバックアップ速度には負けますが、こちらもかなりの速度で保存が可能だからです。
iPhone 16 ProMAXでファイルコピー

スティックSSDをexFAT( もしくはFAT )でフォーマットしていればApple製品やLinux OSでも使用可能です。因みにデフォルトでexFATでフォーマット済。
今回はiPhone 16PMでテスト試行してみました。
画像ファイルメイン・動画少々で約10.6GB分( 216ファイル )をiPhoneからESD310Cへ書き込んでみました。
ストップウォッチ機能を使った手動計測なため、正確ではありませんが以下のような結果でした。
- コピー時間:15分43秒
- 平均コピー速度:112 MB/s
普段使いとしては一気に10GB超を書き込むことはそれほどないとしても、速度はやや遅いと感じました。
ただ書き込むときのアプリは【 FileBrowser GO】( サブスクバージョン )で、非常に便利な反面、コピー速度に関しては普段からアプリ側が少し遅いような印象もあり、参考の参考程度でしょうか。
【 AmorphousDiskMark 】でストレージベンチ ~Macbook Air
Mac版Crystal DiskMarkであるAmorphousDiskMarkでストレージテストを行いました。
見た目のUIからほぼCrystal DiskMarkですが、そのCDI作者の許諾を得て制作されたベンチマークソフトです。
ベンチテスト結果は以下の通りになりました。
1GiBテストではシーケンシャル性能は公式のものより若干低めという感じ、ランダム性能もそれに準じている様子ですが、書き込み性能は全体的に低くなっています。

続く64GiBテストではWindowsと同じく書き込み性能の低下が大きいのは発熱やキャッシュ制限によるものと予想。もともと遅いランダム4K QD1が1桁になってしまいました。

なおほかにも数GBや数100MBのいろいろなファイルをコピペしてみましたが、実用上は時間が借り過ぎることもなく問題無さそうです。ベンチって怖いですね。
ちなみにそれほど速くないと言われる 256GBモデルのAir M3ですが、内蔵ストレージだと以下のような速度でした。ランダム4K QD1の遅さはPCそのもの遅さなのでしょうか。( 初Macbookなのでわかりません )

【 Blackmagic Disk Speed Test 】でストレージベンチ ~Macbook Air
最後は「ProRes 422 HQ」、「Cinema DNG RAW」、「10 Bit YUV 4:2:2」といった素材で、どちらかと言えばクリエーター目線でのベンチマークツールであるBlackmagicを使ってみました。
結果は以下の通り。チェックマーク入りの項目は実用可能という目印となります。意外に使えそうですね。
おまけ:HD TUNE Pro( 試用版)で全域書き込みテスト

ブログを立ち上げたとき以前購入したHD Tune Pro( v5.75 / 2019年製で更新STOP中 )でしたが、いつのまにか新しいv6バージョンが出ていた模様。しかしv5系バージョンからv6系を適用するには再度購入をしないといけないということ。
少し残念な気持ちになりつつ再購入しようにもサポートへ連絡しての割引購入のようで、ベンチテストに間に合わないためトライアル制限版をそのまま使用。
本来はボリューム削除したうえで全域書き込みを行い、SLCキャッシュ切れなどの挙動を見るために購入しました。しかしトライアル版では全域テストはできず200GBあたりまで、ということになります。

テスト結果を見ると、25GBを超えたあたりでガクンと速度低下を起こしており、NAND内の仮想的なキャッシュはだいたい総量の10%程度が割り当てられている様子で、キャッシュが切れるとNANDの素の性能が見えます。
一定書き込みであればおおよそ250MB/sあたりの書き込み性能であることが伺えますが、この速度は公式発表の「1,000MB/s超」から言うと相当乖離しているとも見えます。

ま、どのメーカーの℃の製品もいっちゃん良い性能をアピールしたいからね
まとめ:ESD310Cの良いところ悪いところ

今回はアマゾンの月間販売数でも人気であるスティックSSD Transcend TS-ESD310Cシリーズの250GBモデルをチョイスしました。
OSバックアップの速度を確認するためParagonのバックアップソフトも使ってみましたが、250GB容量は一時的な小容量のバックアップやポータブルデバイスとして持ち運びに使うことがほとんどだと思われます。
さて様々な用途に使ってみましたが、基本は仕事用のExcelやPDFファイル、そして写真などの保存先として毎日欠かさず2〜3回に渡り、3〜4時間使っています。
こうした使い方のため、例えば100GBのコピペ作業はスティックSSD自体の移行時しか行わないため、普段の作業では特に問題になる事例は見つかりません。

メリットを総括すると
- ( 信頼の? )国内Kioxia製の第5世代TLC NANDであること
- シーケンシャル性能は公式通りの性能
- ゲーム用倉庫、配信録画の書き込みにもそこそこ使える性能
- USB-Cにも対応し、iOSやスマホなどデバイス問わず使える
- 圧縮書き込みを行うOS丸ごとバックアップでもそこそこ使える判定
- スライド機構のような破損リスクがない
「そこそこ」という表現が多いのですが、実はコンパクト系スティックSSDには「全くダメ」なトンデモ製品もかなりあります。

せっかく購入したのにレビューして薦めるのはちょっと…という製品も割とありました
逆にデメリット・気になる点は
- 温度表示の上限が60℃で最高温度が不明
- スティック型特有の連続書き込み、大容量書き込みでは温度が高く速度が落ちやすいこと
- 250GBのSLCキャッシュは25GB~30GBあたりと思われる( 容量の約10% )
- 小さな筐体・高い温度で寿命が心配
- キャップに表裏がありとてつもなく分かりくい
- 将来的にキャップが割れる・紛失する恐れがある
性能的にはよくも悪くもスティックSSDの特徴、という印象ですが、過去テストした3本と比較しても速度向上の恩恵は感じられるため、さすがベストバイとなる製品だけあります。(何とか金賞に関してはメーカースポンサーの強さもあるため、なんとも… )
内蔵型のNVMe SSD等と比較すると、内部情報が分かりにくくおみくじ的な要素があるスティックSSDですが、大容量を毎回ゴリッゴリに使うのでなければかなりつける製品です。
ということで今回検証してみた Transcend スティックSSDの【 TS256GESD310C 】はそこそこの速度でフレキシブルに使える良き製品であることが分かりました。
もしスティックSSDの購入を考えている場合、TrascendのESD310Cシリーズを候補にしてみてはどうでしょうか?USB-AもCも対応しているのはマルチデバイスで使いたい方にも◎!
では!
