こんにちは、ゆびきたすです!
「やっぱり足回りの強化は大事だねぇ~」
と思ったマイクラ記事です。
2022年12月末に4年ぶりにゲーム用途PCの足回り更新。高い消費電力と発熱でジャジャ馬ぶりも多くレビューされ、いつものIntelらしいと言えばそう、そんな13世代CPU。
冷却に関しては簡易水冷タイプのDeepCool LT720を導入してみましたが、253Wでパワーリミット制限していれば温度的な心配はそれほどなさそうです。
逆に何らかの制限や低電圧化を行わないと非常に扱いにくいと感じる製品です。
検証するゲームがマイクラだけではないため、また既存の8700K@4.9GHzからどのくらい変化するのか興味あって敢えて13900Kとしました。
しかし今友人にマイクラをメインターゲットに勧めるなら一世代前の12100や12400、もしくはIPCの向上が著しいRyzenの6コアあたり製品でしょう。
1200系の下位モデルは温度的に扱い易く、またCPUコア性能的にもマイクラをプレイする上では全く問題になりません。
マイクラでは昨今のメニーコアはほぼ不要です
なお13900Kに興味がある方は、相性の良い冷却パーツとその調整も兼ねた過去記事を参考にしてください。
マイクラは長くアップデートを重ねており、一粒で一生遊べてしまうのではないかというほどのコスパの塊ゲーです。
しかしその代償としてバージョンを重ねるごとにドンドン重くなっています。主にエンティティの計算だと思われます。
以前からネットの質問箱サイトでは
「マイクラのフレームレート(以下FPS)はCPU依存か?それともGPU(グラフィックカード)依存か?」
という質疑応答が数多くありますが、調べても釈然としないほどに情報が錯綜しています。
記事の趣旨から外れますが、グラフィックカードに関しては過去OpenGL性能制限が緩いと言われていたRadeon( AMD )グラフィックカードを追加したことから始まりました。
そこから同一PCで4回グラフィックカードを換装。その頃はマイクラ一球入魂で構成を考えていました。
そして確かにグラフィックカードの上位モデルへの交換でフレームレートは「あるところまでは」アップします。
AMD Radeon R9 380から始まり 、2台目AMD R9 Nano、3台目のNVIDIAのGTX1080と順当にFPSが向上していき
GTX1080 > ( この間3日 ) >GTX1080Ti( 当時およそ9万円 )で最終兵器投入!
これでさらに2、30%アップだー!いやもっとか!?
ここでFPSが大きくジャンプするという目論見は外れてほんの数%の上昇。
たぶん最悪のコスパ
おそらくここでCPUがボトルネックになっていたと推測します。このときのCPUは難の特徴もないIntel Core i7-4770。
その後1080Tiは続投で、CPUをIntel 8700Kに変更することでプラス40fps以上と想像以上にアップしました。
CPUの交換なんかでマイクラのフレームレートがこんなにあがるんや…
その後のGTX1080TiからRTX3090への換装では…
価格なりの期待をした「爆上げ」には程遠く、マイクラのFPSだけを考えるとコスパ悪すぎて泣けてくる結果。
またやっちゃったよ…
またお前が足を引っ張っているのか、CPUよ
そこで今回はグラフィックカードをそのままで、IntelのCPUを8世代から13世代製品へ換装。
結果的には4770から8700Kへの変更の時と同じでCPU更新の効果が出やすいゲームという印象です。実際のフレームレートを見ながら解説してみたいと思います。
なお解像度は4Kにほど近いため、4Kモニターを使用しているユーザーの参考値となると思います。
ただしマイクラは解像度でのフレームレートの変化は小さいです。
CPU交換による、マインクラフトのフレームレート変化
まず以前の主要な機器構成は以下でした。
- CPU/IntelCorei78700K@4.8〜5.1Ghz(クマメタル化・低電圧調整)
- CPU用簡易水冷/FractalDesignCelsiusS24
- マザーボード/AsrockFatal1ty Z370 Gaming K6
- メモリ/CORSAIRDDR4VENGEANCELPX8GB×4(32GB)
- グラフィックス/GIGABYTEAORUS GeForce RTX3090MASTER 24G
- SSD/WDBlackSN7501TBx2、WDSATABLUE1TB+2TB
- 電源/オウルテック(SeaSonic)80PLUSGOLDFOCUS+850W
CPUの変更にともない交換したのは
CPU/intelCorei913900k - CPU用簡易水冷/DeepCoolLT720
- マザーボード/GigabyteZ690AORUSXTREME
- メモリ/G.SkillF5-6000J3636F1616GX2(DDR5-6000/16GBx2)
まず拠点のFPS付近でFPS値を確認します。
モニター解像度は共に3,840x1,600というニッチで変人な仕様で確認です。
なおこのUQWHD+という珍しい解像度のモニターの記事は以下リンク先で紹介しています。作業領域も広くかなりオススメ。
AW3821DW レビュー 全部入り高解像度・曲面ウルトラワイドで最効率 - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)
まず共通の設定は
- Java版1.19.2
- 描画は最高設定
- 垂直同期OFF
- 軽量化modOptifine導入済
- 少し高解像度なリソースパック「Faithful32x32」導入済
マイクラにおいてはOptifineという軽量化modを導入していますが、別途バニラの状態も織り交ぜて見てみます。
軽量化mod Optifine+低設定
まず描画・演算負荷低めの設定。
- 描画距離10チャンク
- 演算(シミュレーション)距離5チャンク
- エンティティの描画距離100%(マイクラデフォルト)
まず参考比較として8700K+DDR4-3200環境の最大 fpsは120強です。
モニターのリフレッシュレートの144Hzに届かないため滑らかさが物足りない印象。
マイクラは立ち止まっていてもコロコロとfpsが変化しますが、だいたい115~125fps。
次に13900Kの場合(過去記事の通りパワーリミットはPL1=PL2=253W、他はマザーのデフォルト設定)、なんと8700K時の240%ものfpsを確認。
メモリの影響もあるかと思いますが爆上がりです。
CPU使用率は特定コアのみですが、タスクマネージャー上の表示では5.4GHz以上回っています。
なお8700Kの時は5.1GHz辺りまでオーバークロックしても、温度は上昇すれどFPS変化は誤差程度でした。
単にCPUクロックの高さだけが要因ではないことが分かります。
軽量化mod Optifine+中設定
上記10チャンク設定では見渡せる距離も少し悪いため、描画および計算負荷をもう少し上げてみます。
- 描画距離16チャンク(
1.6倍) - 演算(シミュレーション)距離10チャンク(
2倍) - エンティティ描画距離100%(
不変)
この設定でもモニターのリフレッシュレートは軽く超えてくるのでまたまだ余裕がありそうです。
バニラで中設定
軽量化modを始め改変プログラムを何も導入していない「バニラ」の場合、FPSが大きく下がる傾向が強いのですが、上記設定と同じで
- 描画距離16チャンク
- 演算(シミュレーション)距離10チャンク
- エンティティ描画距離100%
という設定で確認。
順当に(無駄な?)負荷が増え、30FPSほど低下し、Optifineのありなしで30FPSも変化。
ただモニターのリフレッシュレート以上のフレームレートが出ているため、この構成では軽量化modなしでも十分です。
ただハードウェアの負荷を抑える=発熱や消費電力を抑えるという意味ではOptifineの意義はあると言えます。
マイクラ側、もしくはグラフィックスドライバ側でFPS制限すればハードウェアの更なる負荷低減も可能です。
バニラで最高負荷設定
描画に関してはグラフィックカードの影響が色濃く出ますが、あえてバニラでは最高の負荷とも言える、
- 描画距離
32チャンク - シミュレーション距離
32チャンク - エンティティ描画距離
500%
で検証してみます。
拠点周りではさすがに大きく割り込んで50FPSまで低下しました。
普段144fpsに慣れていると、50fpsでは残像感が凄くて目が疲れます。
グラフィック側も相応の負荷のようで、特にVRAM(グラフィックのビデオメモリ)の量も同一ワールドで500MBの増加を確認。
それでも昨今の激重なゲームと比較するとかわいいものですが。
負荷の高めな拠点が視界に入らない方角を向くと、FPSは120ほどに向上。
値を色々変えて見た結果、3つの設定項目の中でも「エンティティ描画距離 500%」がかなりの高負荷のようで、元の100%に戻すとFPSが2倍以上に改善しました。
マイクラ内で夜に近づくと、暗所でのmobスポーンが始まって、若干フレームレートは低下する傾向にあります。
外部サーバーAgameでのFPS変化
続いてサーバーの処理を外部(Agames)にさせたもので比較。
ワールドがまだ新しいので拠点らしき場所もそれほど重くありません。
ワールド作成などエンティティ計算処理は主に外部サーバーが行い、クライアントPCの負荷は多少なりとも軽減されている環境です。
- 外部サーバーAgames
(国内サーバーかつ契約は「Epyc」サーバー) - 描画距離はサーバーデフォルト10チャンク
- エンティティ描画距離はサーバーデフォルト100%
- シミュレーション距離はサーバーデフォルト10チャンク
- 垂直同期はOFF
- モニター解像度は3,840x1,600で共通
- グラフィックはRTX3090で共通
まず8700Kの場合
続いて13900Kでは
外部サーバーであってもクライアント側CPUが変わるだけでほぼ100FPSアップ。エンティティが確実に増えているにもかかわらずです。
なお屋根がない拠点画像は我が家の次男(8)の自慢の家(笑
結果:CPU性能アップで間違いなくFPSが改善
マイクラ動作中のタスクマネージャーです。
マイクラの特性として使用スレッド数は少ないですがIntelのPコアをメインに使っています。
以上の事からマイクラのフレームレートに効くのはズバリCPUのシングルスレッドの強さと推測されます。
サーバー・クライアント兼用の状態(通常のシングルプレイのこと)でも外部サーバーの場合でもCPU性能のが向上すればFPSも確実にアップしました。
他に変化の要因の可能性があるとしたら「メモリ」です。
残念ながらこちらは現在装着しているメモリのほかにDDR5の手持ちがないため検証できていません。
また8700k時のDDR4-3200との比較では規格・仕様が違うため単純な比較もできません。
スペック上で見ればDDR4-3200の動作周波数の約2倍であるDDR5-6000の方が有利、と言いたいところですがレイテンシの面で今回のDDR5-6000の方が不利です。
ただこの違いがマイクラにどう影響するかは不明で、おそらく体感できるものではないと想像します。
まとめ
ゲームをはじめ様々な用途目的で13900Kへ換装したのですが、一番期待したのはマイクラのFPS改善だったりします。
CPU別のゲーム検証は多くのサイトでされているわけですが、マイクラの検証はほとんど見かけません。
マイクラはバージョンもかなり数であり、負荷レベルがワールドの内容でかなり変わってしまうため比較がしにくいです。
今回のように4年~5年経ち、PC環境が古くなってきたケースを考えると
- CPUを重視するか?
- グラフィックカードを重視するか?
ということに迷うと思いますが、プレイするゲームをマイクラ中心にするならばまずはCPUの方を検討すべきです。
(もちろん両方一度に、が理想ですが)
また今後RTX4000シリーズなど、より高性能なグラフィックスを導入する場合は可能なかぎり足回り強化したいところです。
管理人は何となく毎回インテルですが、AMD製でも同じかそれ以上の変化があるかもしれません。
シングルスレッド性能を考えると一世代前の1200系、13世代では13100や13400などエントリーCPUで同じくらいFPS変化が出せます。
それはCore i3-12100Fでマイクラ用のPCを組んだときも感じました。
12100FはエントリーCPUですが、FHD@60Hzモニターではこれでもオーバースペック。
一般的には解像度が高いほど描画負荷が増大するためグラフィックカードがボトルネックになりやすく、FHDなどの解像度ではCPUがボトルネックになりがちと言われます。
4Kにほどなく近いモニター解像度において、グラフィックカードが同じという条件でのCPU交換でこれだけFPSが改善するのはまさにCPU依存と言えるでしょう。
マイクラがもっとマルチコアをうまく使えるようになれば更にFPSが出そうです、というのは昔から言われていますが(笑
今回の古い世代CPUから最新世代へバトンタッチは大成功でした。
ぬるぬる動作のマイクラを目指すなら12世代や13世代CPU、おススメであります!
では!
追記
過去記事のマイクラPC(Core i3-12100F)のグラフィックカードをローエンドモデルGT1030に変更して確認してみました。
負荷の軽いところなら300〜500FPS、ゾンビスポナートラップでエンティティ数400超の高負荷時90FPSほど出ます。過去のBTO記事で少し触れています。
影modなど見た目が大きく変わるmodを入れなければグラフィックカード代はかなり節約できそうですね。
コスパ最優先!であるなら12100(もしくはPCのトラブル時の切り分けができるなら末番F付き)が最有力でしょう。
4コアですが、シングルスレッドも優れていますし何より温度が低めでCPUクーラーにコストが掛かりません。