

こんにちは、ゆびきたすです!
「やっぱり足回りの強化は大事だねぇ~」
と思ったマイクラ記事です。
2022年12月末に4年ぶりにゲームやクリエイティブ用途PCの足回り更新をしてみました。
発表以来、高い消費電力と発熱でジャジャ馬ぶりも多くレビューされ、いつものIntelらしいと言えばそう、そんな13世代CPUです。
昨今の電気代高騰の中において、確かにオーバークロックするのはかなり気が引ける素材ではあります。
ただ冷却に関してはDeepCool LT720を導入してみましたが、条件付き253Wでパワーリミット制限していれば温度的な心配はそれほどなさそうです。
なおケースが比較的静音でエアフロー的に芳しくなさそうなFractal Design R6においてです。
(心配される夏場の温度に関してはのちに確認予定)
過去記事:【DeepCool LT720 レビュー】見た目重視の簡易水冷とNoctuaファンを合体 - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)
Steamのゲームもプレイします。
ここ数年はゲームをする時間も少なくなりましたが、多くは8年前に購入したJAVA版マインクラフト。
そのマイクラはブロックの種類や新mobなどバージョンアップのたびに新しい要素が加わり、1度購入すれば一生遊べてしまうのではないかというほどのコスパの塊です。
その代償として簡素な見た目に反して処理も描画もドンドン重くなっています。

以前からネット上では
「マイクラのフレームレート(以下FPS)を稼ぐにはCPU重視?それともGPU(グラフィックカードなど)重視?」
という質問が数多くあります。
両方といえばそうなのですが、限られた予算の中で重視すべきはどちらなのか?という疑問も長くありました。
筆者のPC歴は8年前Intel 4770(内蔵グラフィックのみ)のBTO PCからスタート。
そこからOpenGL性能制限が緩いと言われていたAMD製グラフィックカードを追加したことから始まり、同じPCで4回グラフィックカードを換装しました。
※ただし最近その制限の度合いはAMDもnVidiaもそれほど変わらないそうです
OpenGLの制限
まずOpenGLとは?
Java版マインクラフトの描画に関係する中継プログラム。
いわゆるグラフィックAPIと呼ばれるもので、ほかのゲームではDirectX11や12というAPIが多い。
なおマイクラの統合版はDirectXとなっています。
通常ゲーム用途のグラフィックカードのOpenGL性能は制限があると言われます。
恐らく上位の業務用グラフィックカードの存在のためです。
業務用カードでは、DirectXなどのゲーム性能は低い代わりにOpenGL制限なしで最大性能を発揮可能。
1個目AMD Radeon R9 380から始まり 、2個目AMD R9 Nano、3個目GTX1080と順当にFPSが向上していきましたが、
GTX1080→GTX1080Ti
ここでFPSが大幅ジャンプするという目論見は外れ、思ってたよりも小幅な向上。
具体的な数値は思い出せませんが、ほんの10数FPSしかアップしなくて残念だったのは記憶しています。
今思えばここでCPUが大きくボトルネックになっていたのでしょう。
その後1080Tiはそのまま8700K(+マザー/DDR4-3200メモリ)で+30~40FPSはアップしたと記憶しています。
ゲームにおけるFPS差は微々たるもの、なんて記事を目にすることも多くその上昇幅には驚きました。
その後のGTX1080TiからRTX3090への換装では…

案の定期待した「爆上げ」には程遠く、マイクラのFPSだけを考えると費用対効果低すぎ!でした。
幸いその頃は動画編集などの用途でも使っていたので、それほど無駄感がなかったのが救い。
そして今回4世代ほど飛ばして8世代から13世代CPUへ換装してみました。
結果的には4770から8700Kの時と同じでCPU更新の効果が出やすいゲームという感触でした。
実際のフレームレートを見ながら解説してみたいと思います。
CPU交換による、マインクラフトのフレームレート変化
まず以前の主要な機器構成は以下
- ケース/Fractal DesignのR6
- CPU / Intel Core i7 8700K@4.8Ghz(クマメタル化)
- CPU用簡易水冷 / Fractal Design Celsius S24
- マザーボード / Asrock Fatal1ty Z370 Gaming K6
- メモリ / CORSAIR DDR4 VENGEANCE LPX 8GB×4(32GB)
- グラフィックス / GIGABYTE AORUS GeForce RTX3090 MASTER 24G
- SSD / WD Black SN750 1TB x2、WD SATA BLUE 1TB+2TB
- 電源 / オウルテック(SeaSonic)80PLUS GOLD FOCUS+ 850W
CPUの変更にともない交換したのは
- CPU / intel Core i9 13900k
- CPU用簡易水冷 / DeepCool LT720
- マザーボード / Gigabyte Z690 AORUS XTREME
- メモリ / G.Skill F5-6000J3636F1616GX2(DDR5-6000/16GBx2)
描画を行うグラフィックカードRTX3090や電源はそのまま続投。
まず拠点のFPS付近でFPS値を確認します。
モニター解像度は共通の3,840x1,600。
なお使用しているUQWHD+解像度のモニター記事は以下リンク先で紹介
AW3821DW レビュー 全部入り高解像度・曲面ウルトラワイドで最効率 - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)
まず共通設定は以下
- Java版1.19.2
- 描画は最高設定
- 垂直同期OFF
- 軽量化mod Optifine導入済
- リソースパック「Faithful 32x32」導入済
軽量化modを導入していますが、別途バニラの状態も織り交ぜて確認しています。
軽量化mod Optifine+低設定
まず描画・演算負荷低めの設定。
- 描画距離 10チャンク
- 演算(シミュレーション)距離 5チャンク
- エンティティの描画距離 100%(マイクラデフォルト)

まず参考比較として8700K+DDR4-3200環境の最大 FPSは120強。
モニターリフレッシュレートの144Hzに届かない状態で物足りません。
基本的にマイクラは立ち止まっていてコロコロとFPSが変化しますが、だいたい115~125FPS。

注釈:拠点は7年前にYouTubeを見て丸パクリで建てた家です。
「Minecraft How to build a house」さんのチャンネルの「マインクラフト: 家の作り方 ”簡単のおしゃれな家を作ろう」という動画を参考にしました。
次に13900Kの場合(過去記事の通りパワーリミットはPL1=PL2=253W他はマザーのオート設定のまま)
なんと8700K時の240%を確認。
CPU交換のコスパが素晴らしいゲームです。

PL253Wでも過剰で消費電力の問題がありますが、爆上がりといっても良いでしょう。
CPUのフレーム生成のボトルネックが減少したおかげでグラフィックの負荷も増えている気がします。
上限の1,815MHzまで回ることが増えました。
特定コアのみですが、タスクマネージャ上の表示では5.4GHz以上回っています。

8700Kの時は5.1GHzまでオーバークロックしても特にFPSには変化がなかっただけに、単にCPU周波数の高さだけが要因ではないことが分かります。
単コアあたりの性能向上、メモリの速度などでしょうか。
軽量化mod Optifine+中設定
上記10チャンク設定では見渡せる距離も少し悪いため、描画および計算負荷をもう少し上げてみます。
- 描画距離 16チャンク(1.6倍)
- 演算(シミュレーション)距離10チャンク(2倍)
- エンティティ描画距離100%(不変)


この設定でもモニターのリフレッシュレートは軽く超えてくるのでまたまだ余裕がありそうです。
設定を細かくできることを除くと軽量化modは要らないかもしれない…
バニラで中設定
軽量化odを導入していない「バニラ」の場合、マイクラはFPSが大きく下がる傾向が強いのですが、上記設定と同じで
- 描画距離 16チャンク
- 演算(シミュレーション)距離10チャンク
- エンティティ描画距離100%
以上の設定で確認。

順当に負荷が増え、30FPSほど低下。
Optifineの導入可否で30FPSも変化しました。
ただモニターのリフレッシュレート以上フレームレートが出ているため、軽量化modなしでも十分でしょう。
ただハードウェアの負荷を抑える=発熱や消費電力を抑えるという意味ではOptifineの意義はあると言えます。
マイクラ側、もしくはグラフィックスドライバ側でFPS制限すればハードウェアの更なる負荷低減も可能ですね。
バニラで最高負荷設定
なおバニラ(何もmodがない状態)で最高負荷とも言える、
- 描画距離32チャンク
- シミュレーション距離32チャンク
- エンティティ描画距離500%
で確認してみます。
もちろんこんな高負荷設定でプレイしたのは初めてです。
また例え軽量化modを入れたとしてもこの設定でプレイすることはないでしょう。

さすがに大きく割り込んで50FPSまで低下しました。
マイクラの重さ恐るべし。
普段144FPS(Hz)に慣れていると、50FPSでは残像感がハンパないですね。

グラフィック側も相応の負荷のようで、特にVRAM(グラフィックのビデオメモリ)の量も同一ワールドなのに500MBも増加。
そのまま負荷の高い拠点が視界に入らない方角を向くとFPSは120程度に向上。

3つの設定項目の中でも「エンティティ描画距離 500%」がかなりの高負荷のようで、例えばコレを元の100%とするとFPSが2倍以上改善しました。

ここまくるとCPUとグラフィックスのどちらがよりボトルネックか判断に迷いますね…
今回取り外した8700KとマザーをほかのPCに移設するため、次の機会に試してみようと思います。
外部サーバーAgameでのFPS変化
続いてサーバー処理を外部(Agames)にさせたものでザックリ比較。
ワールドがまだ新しいので拠点らしき場所もそれほど重くありません。
ワールド作成などエンティティ計算処理は主に外部サーバーが行い、クライアントPCの負荷は多少なりとも軽減されているであろう環境です。
- 外部サーバーAgames(国内・契約は「標準」サーバー)
- 描画距離(view-distance)はサーバーデフォルト10チャンク
- エンティティ描画距離(entity-broadcast-range-percentage)はサーバーデフォルト100%
- シミュレーション距離(simulation-distance)はサーバーデフォルト10チャンク
- 垂直同期はOFF
- モニター解像度は3,840x1,600

まず8700Kの場合

続いて13900Kでは

外部サーバーであってもクライアント側CPUが変わるだけでほぼ100FPSアップ。
実際モニター解像度を大きく超えているので意味はありませんが、これだけ改善するとは思いませんでした。
なお上の拠点はマルチ仲間の一人、我が家の次男(8)の自信作(笑
結果:CPU性能アップで間違いなくFPSが改善
上でも掲載していますがマイクラ動作中のタスクマネージャです。

マイクラの特性として使用スレッド数は少ないですが特定のPコアをゴリゴリに使っています。
以上の事からマイクラのFPSで効くのはズバリCPUのシングルスレッドの強さ。
サーバー・クライアント兼用の状態(通常シングルプレイはこちら)でも外部サーバーの場合でもCPU性能のが向上すればFPSも確実にアップしました。
しかもグラフィックカードを交換した場合よりもはるかに向上幅が大きいです。
他に変化の要因の可能性があるとしたら「メモリ」です。

残念ながらこちらは現在装着しているメモリのほかにDDR5の手持ちがないため、そしてメモリクロック調整の知識と経験が全くないので検証していません。
当然8700kのころのDDR4-3200との比較では規格・仕様が違うため単純な比較もできません。
スペック上で見れば動作周波数は約2倍ですDDR5が圧倒的有利、と言いたいところですがレイテンシの面で今回のDDR5-6000の方が不利です。
メモリのレイテンシとはメモリの読み出し命令後の実行までの時間のことで、クロック数で表現されます。
上のDDR5の場合は「CL36」部分がそれで、実行までに36クロック分の時間がかかっているということ。
※その36クロック分がどのくらいの時間かを計算したのが下の「〇〇ns」です。
(参考)レイテンシ計算
今までのCorsair DDR4-3200:CL16(10ns)
現在のG.Skill DDR5-6000:CL36(12ns)
※単位nsはナノ秒
上の比較ではDDR4-3200の方が遅延時間についてはおよそ17%弱少ないのです。
ただこの違いがマイクラにどう影響するかは不明。
価格の差は2倍・3倍以上高いのにレイテンシでは負けパターンが多く、未だDDR5のコスパの悪さがかなり目立ちます。
もちろん同一条件下でこのメモリレイテンシが効いてくるゲームもあります。
DDR5に関してはまだロマンを追及するパーツで、少しでも対費用効果を考えるならDDR4で充分だと思います。
まとめ

ゲームをはじめ様々な用途目的で13900Kへ換装したのですが、一番期待したのはマイクラのFPS改善だったりします。
CPU別のゲーム検証は多くのサイトでされているわけですが、マイクラの検証はほとんど見かけません。
マイクラはバージョンもかなり数であり、サンドボックスゲームなので負荷レベルがワールドの内容でかなり変わってしまうため比較がしにくいですね。
今回のように4年~5年経ち、PC環境が古くなってきたケースを考えると
- CPUを重視するか?
- グラフィックカードを重視するか?
ということに迷うと思いますが、プレイするゲームをマイクラ中心にするならばまずはCPUの方を検討すべきです。
(もちろん両方一度に、が理想ですが)
また今後RTX4000シリーズなど、より高性能なグラフィックスを導入する場合は可能なかぎり足回り強化したいところです。
筆者は何となく毎回インテルですが、AMD製でも同じかそれ以上の変化があるかもしれません。
ただマイクラだけに13900Kは勿体ないし、無駄が多すぎるのはごもっともな意見。
シングルスレッドの強さを考えると1世代前の1200系、13世代も13400などエントリーCPUで同じくらいFPS変化が出せると思います。
※グラフィックカードの性能差もあると思いますが、Java版マイクラに関しては比較的小さいように感じます。
それは子供用PCで12100FでマイクラPCを組んだときも感じました。
エントリー中のエントリーCPUですが、FHD@60Hzであればこれ以上は不要と感じました。
一般的には解像度が高いほど描画負荷が増大するためグラフィックカードがボトルネックになりやすく、FHDなどの解像度ではCPUがボトルネックになりがちと言われます。
4Kにほどなく近い解像度において、グラフィックカード不変という条件でのCPU交換でこれだけFPSが改善するのはまさにCPU依存と言えるでしょう。
マイクラがもっとマルチコアをうまく使えるようになれば更にFPSが出そうですね。
というのは昔から言われていますが(笑
今回の古い世代CPUから最新世代へバトンタッチは大成功でした。
ぬるぬる動作のマイクラを目指すなら12世代や13世代CPU、おススメであります!
では!
12世代・13世代では冷却にもコストが軽く、マルチタスクもそこそこ高性能な12400や13400あたりがおススメです。
(なおゲームの快適性重視であればグラフィックカードは必須)
※ただしマイクラにi9なんて一部の変態だけです
コスパ最優先!であるなら12100(もしくは内蔵グラフィック無しの-F付)が最有力でしょう。
8700Kと比べてもシングルスレッド圧勝です。