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【Intel 13900K】マインクラフトのFPS(フレームレート)はCPU依存?

2023年1月21日

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Minecraft and 13900K
ゆびきたす
ゆびきたす

こんにちは、ゆびきたすです!

「やっぱり足回りの強化は大事だねぇ~」
と思ったマイクラ記事です。

2022年12月末に4年ぶりにゲームやクリエイティブ用途PCの足回り更新をしてみました。

発表以来、高い消費電力と発熱でジャジャ馬ぶりも多くレビューされ、いつものIntelらしいと言えばそう、そんな13世代CPUです。

昨今の電気代高騰の中において、確かにオーバークロックするのはかなり気が引けます。

冷却に関しては簡易水冷タイプのDeepCool LT720を導入してみましたが、253Wでパワーリミット制限していれば温度的な心配はそれほどなさそうです。

逆に言えば何らかの制限や低電圧化を行わないと非常に扱いにくいと感じるケースも多い製品。

爆熱と謳われる同CPUですが、興味本位もあって13900Kとしました。

しかしもし今現在知人友人にマイクラをメインターゲットに勧めるなら一世代前の12100や12400、もしくはIPCの向上が著しいRyzenの6コアあたり製品でしょう。

1200系の下位モデルは温度的に扱い易く、またCPUコア性能的にもマイクラをプレイする上では全く問題になりません。

昨今のメニーコアはほぼ不要ですね。

なお13900Kに興味がある方は、相性の良い冷却パーツとその調整も兼ねた過去記事を参考にして下さい
【DeepCool LT720 レビュー】見た目重視の簡易水冷とNoctuaファンを合体 - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)

マイクラはブロックの種類や新mobなどバージョンアップのたびに新しい要素が加わり、1度購入すれば一生遊べてしまうのではないかというほどのコスパの塊。

その代償として例えば筆者が初めてマイクラに触れたバージョン1.8あたりからすると、バージョンを重ねるごとにドンドン重くなっています。

Minecraft 1.20
出典:minecraft 1.20 で「再生できるモブの鳴き声」が登場 | Minecraft

以前からネット上では

マイクラのフレームレート(以下FPS)はCPU依存か?それともGPU(グラフィックカード)依存か?

という質疑応答が数多くありますが、かなり調べても釈然としないほどに情報が錯綜しています。

記事の趣旨から外れますが、グラフィックカードに関しては過去OpenGL性能制限が緩いと言われていたAMD製グラフィックカードを追加したことから始まり、同一PCで4回カードを換装して試しました。

確かにグラフィックカードの交換でフレームは「あるところまでは」アップします。

グラフィックカードのOpenGL制限とは

まずOpenGLとはJava版マインクラフトの描画に関係する中継とか窓口として働くプログラムのことです。

マイクラの描画データはドライバーに内蔵されるこのグラフィックAPIと呼ぶプログラムによってグラフィックドライバーに橋渡しが行われます。

最終的にはドライバーからグラフィックカード、そしてモニターへの経路を辿ります。

因みにマイクラの統合(BE)版のAPIはDirectXとなっており、JAVA版との大きな相違点の1つでもあります。

この点が動作の軽さの違いとも言われます。

なおOpenGLについては過去記事で少し解説をしています。

以前からゲーム用途のグラフィックカードのOpenGL性能には大きな制限があると言われてきました。

それは上位の業務用グラフィックカードの存在のためです。

業務用カードは収益性が非常に高く、DirectXなどのゲーム性能が低いかわりにOpenGL性能は制限なしで最大性能を発揮可能できるからです。

AMD Radeon R9 380から始まり 、2台目AMD R9 Nano、3台目のnVIDIAのGTX1080と順当にFPSが向上していきましたが、

GTX1080→GTX1080Ti

ここでFPSが大きくジャンプするという目論見は外れ、思っていたよりも小幅な向上に留まりました。

おそらくここでCPUがボトルネックになっていたのでしょう。

その後1080Tiは続投で、CPUをintel 8700Kに変更することでプラス40fps以上と想像以上にアップしました。

CPUの変更によるゲームのfps差は微々たるもの、と思っていただけに驚きの結果です。

その後のGTX1080TiからRTX3090への換装では…

価格なりの期待をした「爆上げ」には程遠く、マイクラのFPSだけを考えるとコスパ悪すぎて泣けてくる結果でした。

そこで今回はグラフィックカードをそのままで、IntelのCPUを8世代から13世代製品へ換装してみました。

結果的には4770から8700Kへの変更の時と同じでCPU更新の効果が出やすいゲームという印象です。
実際のフレームレートを見ながら解説してみたいと思います。

なお解像度は4Kにほど近いため、4Kモニターを使用しているユーザーの参考値となると思います。

CPU交換による、マインクラフトのフレームレート変化

まず以前の主要な機器構成は以下でした。

  • CPU / Intel Core i7 8700K@4.8〜5.1Ghz(クマメタル化・低電圧調整)
  • CPU用簡易水冷 / Fractal Design Celsius S24
  • マザーボード / Asrock Fatal1ty Z370 Gaming K6
  • メモリ / CORSAIR DDR4 VENGEANCE LPX 8GB×4(32GB)
  • グラフィックス / GIGABYTE AORUS GeForce RTX3090 MASTER 24G
  • SSD / WD Black SN750 1TB x2、WD SATA BLUE 1TB+2TB
  • 電源 / オウルテック(SeaSonic)80PLUS GOLD FOCUS+ 850W

CPUの変更にともない交換したのは

  • CPU / intel Core i9 13900k
  • CPU用簡易水冷 / DeepCool LT720
  • マザーボード / Gigabyte Z690 AORUS XTREME
  • メモリ / G.Skill F5-6000J3636F1616GX2(DDR5-6000/16GBx2)

まず拠点のFPS付近でFPS値を確認します。
モニター解像度は共に3,840x1,600というニッチで変人な仕様で確認です。

なおこのUQWHD+という珍しい解像度のモニターの記事は以下リンク先で紹介しています。作業領域も広くかなりオススメ。
AW3821DW レビュー 全部入り高解像度・曲面ウルトラワイドで最効率 - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)

まず共通の設定は

  • Java版1.19.2
  • 描画は最高設定
  • 垂直同期OFF
  • 軽量化mod Optifine導入済
  • 少し高解像度なリソースパック「Faithful 32x32」導入済

マイクラにおいてはOptifineという軽量化modを導入していますが、別途バニラの状態も織り交ぜて見てみます。

軽量化mod Optifine+低設定

まず描画・演算負荷低めの設定。

  • 描画距離 10チャンク
  • 演算(シミュレーション)距離 5チャンク
  • エンティティの描画距離 100%(マイクラデフォルト)
Setting Optifine V10chank and Sim5chank@13900K

まず参考比較として8700K+DDR4-3200環境の最大 fpsは120強です。

モニターのリフレッシュレートの144Hzに届かないため滑らかさが物足りない印象。

マイクラは立ち止まっていてもコロコロとfpsが変化しますが、だいたい115~125fps。

SinglePlay Local 10Chank Load
過去記事:ATERNOS: マイクラ無料サーバーの立て方をザックリ解説 - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)

画像の建造物について

拠点の建物は7年前にYouTubeを見て丸パクリで建てた家です.
Minecraft How to build a house」さんのチャンネルの「マインクラフト: 家の作り方 ”簡単のおしゃれな家を作ろう」という動画を参考にさせて頂いています.

次に13900Kの場合(過去記事の通りパワーリミットはPL1=PL2=253W、他はマザーのデフォルト設定)、なんと8700K時の240%ものfpsを確認。

Optifine V10chank and S5chank@13900K

メモリの影響もあるかと思いますが爆上がりです。

CPU使用率は特定コアのみですが、タスクマネージャー上の表示では5.4GHz以上回っています。

TaskMGR@Minecraft

なお8700Kの時は5.1GHz辺りまでオーバークロックしても、温度は上昇すれどFPS変化は誤差程度でした。

単にCPUクロックの高さだけが要因ではないことが分かります。

軽量化mod Optifine+中設定

上記10チャンク設定では見渡せる距離も少し悪いため、描画および計算負荷をもう少し上げてみます。

  • 描画距離 16チャンク(1.6倍
  • 演算(シミュレーション)距離10チャンク(2倍
  • エンティティ描画距離100%(不変
Setting Optifine V16chank and Sim10chank@13900K
Optifine V16chank and S10chank@13900K

この設定でもモニターのリフレッシュレートは軽く超えてくるのでまたまだ余裕がありそうです。

バニラで中設定

軽量化modを始め改変プログラムを何も導入していない「バニラ」の場合、FPSが大きく下がる傾向が強いのですが、上記設定と同じで

  • 描画距離 16チャンク
  • 演算(シミュレーション)距離10チャンク
  • エンティティ描画距離100%

という設定で確認。

Vanilla V16chank and S10chank@13900K

順当に(無駄な?)負荷が増え、30FPSほど低下し、Optifineのありなしで30FPSも変化しました。

ただモニターのリフレッシュレート以上のフレームレートが出ているため、この構成では軽量化modなしでも十分です。

ただハードウェアの負荷を抑える=発熱や消費電力を抑えるという意味ではOptifineの意義はあると言えます。

マイクラ側、もしくはグラフィックスドライバ側でFPS制限すればハードウェアの更なる負荷低減も可能です。

バニラで最高負荷設定

描画に関してはグラフィックカードの影響が色濃く出ますが、あえてバニラでは最高の負荷とも言える、

  • 描画距離32チャンク
  • シミュレーション距離32チャンク
  • エンティティ描画距離500%

で検証してみます。

Setting Vanilla V32chank and Sim32chank@13900K

拠点周りではさすがに大きく割り込んで50FPSまで低下しました。

普段144fpsに慣れていると、50fpsでは残像感が凄くて目が疲れます。

Vanilla V32chank and S32chank@13900K

グラフィック側も相応の負荷のようで、特にVRAM(グラフィックのビデオメモリ)の量も同一ワールドで500MBの増加を確認。

それでも昨今の激重なゲームと比較するとかわいいものですが。

負荷の高めな拠点が視界に入らない方角を向くと、FPSは120ほどに向上。

Vanilla V32chank and S32chank and E500% Light Load

値を色々変えて見た結果、3つの設定項目の中でも「エンティティ描画距離 500%」がかなりの高負荷のようで、元の100%に戻すとFPSが2倍以上に改善しました。

Vanilla V32chank and S32chank E100%@13900K
マイクラは昼夜でも負荷が変化しますので参考値で

マイクラ内で夜に近づくと、暗所でのmobスポーンが始まって、若干フレームレートは低下する傾向にあります。

外部サーバーAgameでのFPS変化

続いてサーバーの処理を外部(Agames)にさせたもので比較。
ワールドがまだ新しいので拠点らしき場所もそれほど重くありません。

ワールド作成などエンティティ計算処理は主に外部サーバーが行い、クライアントPCの負荷は多少なりとも軽減されている環境です。

  • 外部サーバーAgames(国内サーバーかつ契約は「Epyc」サーバー)
  • 描画距離はサーバーデフォルト10チャンク
  • エンティティ描画距離はサーバーデフォルト100%
  • シミュレーション距離はサーバーデフォルト10チャンク
  • 垂直同期はOFF
  • モニター解像度は3,840x1,600で共通
  • グラフィックはRTX3090で共通
Agames Sever Properties

まず8700Kの場合

V-Sync OFF@Agames

続いて13900Kでは

Agames@13900k

外部サーバーであってもクライアント側CPUが変わるだけでほぼ100FPSアップ。
実際モニター解像度を大きく超えているので意味はありませんが、これだけ改善するとは思いませんでした。

なお屋根がない拠点画像は我が家の次男(8)の自信作です(笑

結果:CPU性能アップで間違いなくFPSが改善

マイクラ動作中のタスクマネージャーです。

TaskManager@Minecraft
入れ替わりで2コア程度使用しているみたいです

マイクラの特性として使用スレッド数は少ないですが特定のintelでいう「Pコア」をゴリゴリに使っています。

以上の事からマイクラのFPSで効くのはズバリCPUのシングルスレッドの強さです。

サーバー・クライアント兼用の状態(通常のシングルプレイのこと)でも外部サーバーの場合でもCPU性能のが向上すればFPSも確実にアップしました。

グラフィックカードを交換した場合よりもはるかに向上幅が大きいです。

他に変化の要因の可能性があるとしたら「メモリ」です。

G.skill DDR5-6000

残念ながらこちらは現在装着しているメモリのほかにDDR5の手持ちがないため検証していません。
当然8700kのころのDDR4-3200との比較では規格・仕様が違うため単純な比較もできません。

スペック上で見ればDDR4-3200の動作周波数の約2倍であるDDR5-6000の方が有利、と言いたいところですがレイテンシの面で今回のDDR5-6000の方が不利です。

ただこの違いがマイクラにどう影響するかは不明。

価格の差は2倍・3倍以上高いのにレイテンシでは負けパターンが多く、未だDDR5のコスパの悪さがかなり目立ちます。
もちろんこのメモリのレイテンシ差でFPSに影響してくるゲームもあります。

DDR5に関してはまだロマンを追及するパーツで、少しでも対費用効果を考えるならDDR4で充分だと思います。

まとめ

Intel 13900k

ゲームをはじめ様々な用途目的で13900Kへ換装したのですが、一番期待したのはマイクラのFPS改善だったりします。
CPU別のゲーム検証は多くのサイトでされているわけですが、マイクラの検証はほとんど見かけません。

マイクラはバージョンもかなり数であり、サンドボックスゲームなので負荷レベルがワールドの内容でかなり変わってしまうため比較がしにくいですね。
今回のように4年~5年経ち、PC環境が古くなってきたケースを考えると

  • CPUを重視するか?
  • グラフィックカードを重視するか?

ということに迷うと思いますが、プレイするゲームをマイクラ中心にするならばまずはCPUの方を検討すべきです。
(もちろん両方一度に、が理想ですが)

また今後RTX4000シリーズなど、より高性能なグラフィックスを導入する場合は可能なかぎり足回り強化したいところです。
筆者は何となく毎回インテルですが、AMD製でも同じかそれ以上の変化があるかもしれません。

ただマイクラだけに13900Kは確実に無駄です。13世代のリフレッシュバージョンと言われる次期14世代なんて全く必要無いでしょう(多分)。

シングルスレッドの強さを考えると1世代前の1200系、13世代では13100や13400などエントリーCPUで同じくらいFPS変化が出せると思います。

それはCore i3-12100Fでマイクラ用のPCを組んだときも感じました。
エントリーCPUですが、FHD@60Hzは余裕過ぎる性能。これ以上は不要と感じました。

一般的には解像度が高いほど描画負荷が増大するためグラフィックカードがボトルネックになりやすく、FHDなどの解像度ではCPUがボトルネックになりがちと言われます。
4Kにほどなく近いモニター解像度において、グラフィックカードが同じという条件でのCPU交換でこれだけFPSが改善するのはまさにCPU依存と言えるでしょう。

マイクラがもっとマルチコアをうまく使えるようになれば更にFPSが出そうです、というのは昔から言われていますが(笑

今回の古い世代CPUから最新世代へバトンタッチは大成功でした。
ぬるぬる動作のマイクラを目指すなら12世代や13世代CPU、おススメであります!

では!


追記1:

過去記事の子供用マイクラPC(Core i3-12100F)のグラフィックカードを(ゲーム用ですらない)エントリーモデルGT1030に変更して確認。負荷の軽いところなら300〜500FPS、ゾンビスポナートラップでエンティティ数400超の高負荷時90FPSほどでました。 過去のBTO記事で少し触れています。【サイコム×マインクラフト】省スペースのおすすめBTOパソコンを紹介 - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)

影modなど見た目が大きく変わるmodを入れなければグラフィックカード代はかなり節約できそうですね。

追記2:

解像度がニッチ過ぎて参考にならないよ!

ごもっともな意見です。これからウルトラワイドモニターを検討したい、グラフィックカードを変えたいが効果が分からないと感じる方は多いと思います。

当ブログで使用している機材(13900KとRTX3090もしくは4090)で例えばFHDやWQHDでのfpsを知りたいなどご要望がありましたらコメントでどうぞ。

モニター解像度についてはドライバーから内部解像度を変更しての検証であれば可能です。なお所有のRTX3090は近々退役させて4090になる予定です。

またワールドで稼働しているものでもfpsが違うので、激重の配布ワールドなどを指定しても大丈夫です。


12世代・13世代の中では冷却に掛かるコストが低く、6コア12スレッドでマルチタスクもそこそこ高性能な12400や13400あたりがおススメです。マイクラのみなら4コアで十分ですが…
なおゲームの快適性重視(おおむね60fps以上)であれば、CPU内蔵ではなく後付けのグラフィックカードは必須です。

※ただしマイクラにCore i9やi7は一部の変態だけです

コスパ最優先!であるなら12100(もしくはPCのトラブル時の切り分けができるなら末番F付き)が最有力でしょう。
4コアですが、シングルスレッドも優れていますし何より温度が低めでCPUクーラーにコストが掛かりません。

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  • この記事を書いた人

ゆびきたす

妻子持ち副業ブロガー 趣味のPCや家電の事を徒然なる心のままに。 ※アフィリエイトプログラム参加中

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