こんにちは、ゆびきたすです!
今回はずっと狙っていた製品をやっとゲット!
その製品は
Level 1 TechsのDisplayPort1.4 対応を謳ったKVMスイッチです。
KVMとは「Keyboard」「Video」「Mouse」の頭文字を取った機器のことです。
以前に投稿した記事「ELUTENG 8K DisplayPort 手動切替器」は単にモニターの切替のみでした。
3要素のうち「Video」だけの切り替えです。
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ELUTENG 8K DisplayPort 手動切替器を試す+注意点も!
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しかし今回は機能性アップグレードで
- 1台のモニターと2台のパソコンの両方のDiplayPort1.4端子
- 1組のマウスとキーボード
- 1台のアナログ入力機器(アンプ付スピーカーなど)
- 複数のUSB機器(USBスピーカーや外付けHDD、プリンタなど)
まとめて切り替えができるようにしたものです。
イメージとして以下のような接続です。
信頼性の高いKVMを長い間探して、2021年ころに発見したのが当製品【Level 1 Techs PAAG-E3112B】です。
しかし当時世界的な半導体需要の急増のせいか、「在庫切れ」状態で長らく諦めていましたが、あるとき遂に復活したので即時購入してみました。
残念だったのは未曽有の「円安」状態であること。2022年06月下旬時点で総計$371が日本円で5万円オーバーでした…
使用感:安定のDisplayPort1.4対応製品
公式を和訳した仕様:
- DP1.4接続:最大4K@120kもしくは8K@30Hz
- 低解像度+高フレームレート(例:144hz@1440p、オーバークロックは非サポート)
- DisplayStream Compression Supported(DSC)対応
- HDCPキー更新用の高性能EDIDエンジン採用(PCはポートが非アクティブであることを認識します)
- HDCPパススルーをサポート(HDCPシグナルを忠実に維持)
- インテリジェント USB HID パススルー
- リア入力:2× 3.5mmオーディオ
- リア入力:2× ディスプレイポート 1.4
- リア入力:2×USB 3.0-Bタイプ (USB 3 5Gbps)
- リア出力:1×ディスプレイポート1.4
- リア出力:3×USB 2.0 ポート
- リア出力:1×USB 3.0 (USB3.2/Gen1・ 5Gbp)
- リア出力:1×アナログ3.5mmオーディオ
- フロント:入力切り替えボタン
- フロント:1x USB 2.0 HID ポート
- フロント:1x USB 3.0-Aタイプ (USB 3 5Gbps) ポート ※最大で1A電流
コンパクトな筐体の割りにズッシリとした重量感がたまりません。
スイッチのクリック感もカチッとした剛性感で上々の感触。
8K@60Hz(4:4:4)対応で現状オーバースペックですが、将来性もあります。
USB仕様は「USB3.2」ですが「Gen1」なので5Gbps規格(=USB3.0規格)でいたって普通なスペックです。
なお公式においてはUSBがタイプCかつ10Gbpsバージョンのものも販売されています。
スイッチ切り替えは、スマホ計測でおよそ2.7秒。
モニターやPCとの相互認識の時間も必要なのでこんなものだと思います。
残念なのは、Level1Techs製品はAmazonなどのECサイトも含めて、日本国内では全く販売されていないことです。
製品の品質は自信をもって良いと言えるので、いつか国内代理店できることを期待しています。
Level 1 Techs メリット3選
Level 1 Techの良さは使えば使うほどに感じます。
- 1スイッチ操作でPCにぶら下がるデバイスを一挙切替、更にホットキー切替も可能
- ヘッドフォンやアクティブスピーカーも同時切替可能(3.5mmアナログ)
- ロジクールのUnifyingデバイスが使用可能(ホットキーも問題なし)
- DPにありがちな急な暗転は発症せず(※ただし環境に依存すると思われる)
1スイッチ操作でPCデバイスの切り替えが可能
KVM スイッチ製品の基本的な機能は自分の用途では完璧です。
前面の1つしかないスイッチを押すごとにPC1とPC2が切り替わります。
大きめのランプもあるので操作ミスは無いと思います。
更に便利なのはキーボードのホットキー対応。
例えば
によってPC1・2を切り替えることが可能。
ホットキー機能を使用するにはUSBキーボードを「HID」記載のポートに挿す必要があります。
音声(アナログ3.5mm)も同時に切替可能
この製品の決め手の一つでもあります。
アナログ入力付きのアクティブスピーカーに接続する用途で外せないポイントです。
2台のPCで各々音楽再生しスイッチ操作を行うとキチンと音楽も一緒に切り替わります。
使用中のスピーカーにはデジタル端子としてUSB-B端子、そしてTosLink(光)入力がありますが、KVM側が非対応です。
そもそも1組のスピーカだけであれば、USB-B端子接続によってKVMで切り替える事が可能ですが、あえてアナログ接続にしたのは片方のPCに3.5Φアナログウーハー出力があり、
イメージ図のウーハー部分
因みにUSB端子とウーハー用アナログ端子に同時に音声出力は不可能です。
基本的にWindowsのデバイス処理の仕様上は2つ同時に音声出力できないためです。
抜け道はあるようですが、過去自分の環境では何をやってもダメでした。
USB接続の上でWindows側で音声出力をUSB側に設定するとアナログ接続したウーハーへは音声が出力されない仕様です。
1台のPC(サブウーハー用アナログ出力)からだけウーハーへ出力できれば良いのでKVMを介さず直結。
KVMではメインスピーカのみ切り替える用途で使用中です。
なお使っているPCスピーカーはクリプトン製で、どの製品も非常に高評価なものが揃っています。
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KRIPTON(クリプトン)のPCスピーカーに感動した話
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※その後PCの5.1ch出力のメインスピーカー出力のみに接続し、KVMから出力させたアナログを1in-2outの分配ケーブルで分岐させ、メインスピーカーとウーハーを同時に切り替えられるようにしました。
但しウーハーにそのまま分岐されたケーブルを接続する場合には注意があります。
というのもウーハー側にローパスフィルターが内蔵されていないと、中高音域もウーハー出力してしまい、モコモコボコボコ音になってしまいます。
そこで自動車用のパッシブタイプ(電源などを必要としないタイプ)のローパスフィルターを、ウーハー直前にかませ、中高域を絞って使用しています。
ちょっと素性の知れない怪しげな製品でしたが、期待以上に効果的に調整が可能です。
分岐したり他の製品を噛ませたりして音質的にはアレかもしれませんが、これで万事使い勝手は解決しました。
USB-HIDポートでロジクールのUnifyingが使える
キーボードショートカットでの切替を考えると「USB-HID」端子への接続が必須です。
HID(ヒューマンインタフェースデバイスクラス)とはキーボードやマウス、ゲームパッドなどの入力装置のこと。
しかしHID端子で正常動作するには条件があったりします。
特殊なドライバーで動くものや特殊なマウスなどは正常動作しません。
今使用中のロジクールのUnifyingはドライバーこそWindows標準。
しかしレシーバーが特殊なので不可能を想定していましたが、意外にも普通に使えます。
(キーボードショートカットも効きます)
※2023年8月現在、Realforce 3SをHIDポートへ使用すると挙動がおかしいケースが多々ありました。詳しくは「デメリット」の解説の項をご参考に。
不安定な挙動は「ほぼ」無し
過去に使用していた製品ではある症状が発生していたした。(上で生地紹介した製品とは別)
- スリープ後(稀に)マウスやキーボードから復帰不能(PCの電源スイッチでなら復帰可能)
- Amazon Music(ブラウザのEdge)で曲再生でクリックすると「1回目だけ」一瞬暗転
※(LG・Dellのモニター共に発生。iiyamaモニターでは出ないのでモニター依存か?)
DisplayPortは環境依存性が強く、スリープ問題がとても出やすい規格です。
例えば
- 復帰後画面が真っ暗なまま
- 左上にウィンドウやアイコンが再配置される(解像度1024x768に強制変更されるため)
過去KVM製品で
- ①は発生せず
- ②は確実に2台共発生するのでレジストリ編集にて対処して解決
今回のLevel 1 Techs KVMでは
①は発生していません。
②に関してはレジストリを既に変更してたため検証できていません。
つまり既設KVMの記事内にある特定条件下での暗転からは解放されました。
※2023年8月現在1年近く使いつつ検証するに、スリープに関して若干の不具合もしくは相性の問題も散見するようになりました。
「デメリット」解説で追記します。
デメリット3選
今回のLevel 1 TechsのKVM導入前に知っておいても良いかなという点です。
- 拡張スイッチはなし(ケーブル類も何もなし)
- 前面LEDの色は好みがありそう
- 時期により輸入コストが高い
- (ごく稀に発生)DP特有のスリープ復帰問題とHIDポートの相性
順番に解説
設置環境により遠隔用のスイッチが欲しい
Level 1 Tech KVMは構成部品が必要最低で実質本体と電源だけです。
当環境ではロジクールのUnifyingデバイスが問題なく動作していますが、一部特殊なドバイバーを介在させて動作するものは「HIDポート」ではうまく動かない場合もあります。
※複数HIDポートは内部でハブ化されていると思われます
例えばボタンデバイスの有名商品【Elgato StreamDeck】のように、そもそもUSBハブがNGな製品は全く動作しませんでした。
そこで「HIDポート」ではなく通常のUSBポートにデバイスを挿して使用するのですが、この場合キーボードショートカットが効かなくなります。
もしKVM本体が着座状態で手の届く範囲にない場合は、非常に使いづらくなります。
外部スイッチやリモコンが望まれます…
前面LEDは見た目がカッコ悪い
質実剛健とも言えますが地味です。
しかもボタン照明の光り方にムラがあって気になります。ぼんやり、薄っすらと光っているイメージで、日中明るい環境だと視認性がかなり悪いです。
ただ今どきの製品のLEDは目潰しのごとく光るモノが多い中、大人しめな光り方が逆にメリットなのかもしれません。
輸入コストが高い(時期にもよる)
2022年現在の円安状況では輸入する側では大幅コストアップ。
約1年前の2021年7から9月期の対ドル円レートの均衡値は1ドル=105.4円でした。
ざっくりと
- 2021年@105円とすると、38,955円
- 2022年6月下旬@135円だとして50,085円
その差は11,000円以上!
(実際の引き落とし合計は51,075円でした)
その後の2023年11月には150円を突破し更に購入しにくい価格になっています…
スリープ復帰問題とHIDポートの相性
DisplayPort接続でよく耳にするのがスリープ復帰しても「画面が真っ暗」状態です。
購入当初は全く発生しませんでしたが、2023年11月までの2年弱で2、3回発生しました。
考えられるのは
- WindowsUpdateによる影響
- グラフィック・ドライバーとの相性
- モニターエミュレーションが無いため
など様々な原因が考えられます。
ただこの症状が出るのは決まって片側のPCだけのため、環境に依存した問題とも取れます。
対処方法は簡単で
KVMでもう1度切り替える
(交互に1回ずつスイッチ操作)
発生すると少し面倒ですが、頻度は極めて少ないため許容範囲かなというところ。
なお【モニターエミュレーション機能無し】については公式でも明言されていますが、必要な場合にはLevel 1 Techs DPリピーターを検討して下さい、とのこと。
DP Repeater + HDMI Splitter — Level 1 Techs
(エミュレーションやEDIDについては知識的に明るくないため明言を避けます)
次にHIDポートとキーボードの相性。
以前使用していたマウスLogicool MX Anyware 2SとキーボードLogi Craft KX1000を1つのUnifyingレシーバーで問題なく共有動作していました。
ここからキーボードを有線式のRealForceにしたところ
- 使用中に急にキー操作が効かなくなる
- Simpleモードにすると落ち着く
- スリープ復帰時挙動がおかしくなる場合が多い
デバイスマネージャを見るとわかりますが、Realforce 3Sを接続すると複数のデバイスが現れます。
いわゆる多機能型なキーボードではごく普通の症状ですが、これらが悪さをするようです。
その証拠にキーボードを「シンプルモード」にするとおかしな挙動がなくなります。
メールで問い合わせたところ
Level 1 Techsのサポートより
キーボードに基本機能以外のオプションがある場合には、HIDポートの使用を避けてください。
複数のHIDポートは内部でグループ化されているため、ポートを変更するのみは推奨されません。
とのことでした。
そこでHIDポートを避け、通常のUSB3ポートへ挿してみたところ正常動作するようになりました。
ただ「非HID」なUSBポート数が前後パネルで各1つずつしか無いため、多種のデバイスを接続したい場合、USBハブを試してみるなどの工夫が必要になります。
まとめ
今回のLevel 1 TechsのKVMはとても良い製品と感じるモノでした。
また仕様上で参考・注意したい項目がたくさんNoteされています。
- Display Stream Compression Supported
- Intelligent EDID Engine for HDCP Rekeying
- we don’t recommend connecting to ASMedia USB controllers……
DisplayStream Compression Supported(DCS)のおかげで(8Kは30Hzまでですが)4K@120Hzにも正式対応のようです。
管理人環境の「3,840x1,600」解像度のモニタで正常に144Hz動作しています。Level 1 Techs公式サイトに記載されていますので一読をお勧めします。
取り付けに関してはデスク天板下に張り付け固定してみました。右手がちょうど届く位置が楽です。
入手方法が「輸入」しかないのが少しハードルがあるという方が多いと思います。
しかし購入は実に簡単です。
以下に備忘録として綴ってみました。
Level 1 TechsのKVMに変えて2024年10月現在で約2年数ヶ月、毎日使っています。2年ほど使った現在も切り替え後にモニターが暗転したりという問題は見られません。
円安基調が続き、コストが高いのが難点ですが満足度の高い逸品です。
DP1.4対応のKVMを探すニッチな方には一考になる製品ではないでしょうか?
では!