こんにちは、バックアップも時短を進めろ!
と思ったゆびきたすです!
以前のスティックSSD SanDiskに続いて今回はGen2タイプをお試し!
さて以前SanDiskの記事では利便性と時短性が高い【スティック型USB-SSD】を使ってQOL爆上がり体験した管理人。バックアップはこれからこれでやろうと決意した瞬間です。
しかし少し気になったのはコンパクトゆえかその発熱の高さ。SanDiskではUSB3.2 Gen1でしたが、より高速なエレコム製を試してみます。
入手したのはAmazonでセール時毎回登場する【ESD-EMA】シリーズの最小容量250GB×2本です。
大容量のバックアップ用途には弱いですが、普段のファイル移動や一時的な保存などUSBメモリに代替するメディアとして大いに活躍してくれそうです。
公称スペックは
- 高速規格 USB3.2 Gen2
- 読み込み最大500MB/s、書き込み最大480MB/s
今回は1本目で「個体差かな?」と判断に迷う挙動を確認したため2本目を入手して同じテストを敢行しました。
なおエントリースペックのPCで検証しました。
- Windows11Pro(23H2)
- CPU:Intel Core-i3 12400
- マザーボード:ASUS PRIME B760M-A D4
- メモリ:TEAM ELITE PLUS DDR4/3200 16GB×2枚
- グラフィックス:ASUS GTX1650-O4G-LP-BRK(LowProfileモデル)
- SSD:WD SN700/1TB(+KIOXIA EXCERIA G2/2TB)
- USBポート:USB2.0、USB 3.2 Gen1および同Gen2
エレコム ESD-EMAシリーズの概要
SSDは容量によって転送速度が違うものがあるため、同EDS-EMA〇〇〇〇シリーズを容量別に下記表にまとめてみました。
諸元/製品名 | ESD-EMA0250GBK | ESD-EMA0500GBK | ESD-EMA1000GBK |
ストレージ容量 | 250GB | 500GB | 1,000GB(1TB) |
スライド式/キャップ式 | スライド | スライド | スライド |
最大読み込み速度(MB/秒間) | 500MB/s | 500MB/s | 500MB/s |
最大書き込み速度(MB/秒間) | 480MB/s | 480MB/s | 480MB/s |
コネクタ形状 | USB3.2-A | USB3.2-A | USB3.2-A |
接続インターフェース | USB2.0~USB3.2 Gen2 | USB2.0~USB3.2 Gen2 | USB2.0~USB3.2 Gen2 |
サイズ | 幅約67.3mm×奥行約22.1mm×高さ約9.5mm | 幅約67.3mm×奥行約22.1mm×高さ約9.5mm | 幅約67.3mm×奥行約22.1mm×高さ約9.5mm |
電源取得方法 | USBバスパワー | USBバスパワー | USBバスパワー |
対応コンソールゲーム機 | PS4/PS4 PRO/PS5 | PS4/PS4 PRO/PS5 | PS4/PS4 PRO/PS5 |
その他ハードウェア対応 | 各社TV/レコーダー | 各社TV/レコーダー | 各社TV/レコーダー |
Amazonリンク(新春セール中) | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
ストレージ容量による差はなく【まったく同じ】
あるとしたら書き込み寿命の目安の1つであるTBWでしょう。
TBW(Tera Byte Written)は総書込バイト数のことで、「この数値で示すバイト数まで書き込めます」ということです。
SSDを選ぶ際に知っておきたい基礎知識や性能の見方を紹介 -エレコム (elecom.co.jp)
ただしそのTBWについてはエレコムをはじめバッファロー、IOデータなど国内販売会社では一切公表していません。
参考程度の指標ですが、そういった情報が一切見えないのは少々不安です。
次にエレコムのUSB方式のSSDのラインナップを一通り確認しました。
ポータブルメディアの携帯性や高速化を進めるうえで「直挿し」「スティック型」「USB3.2 Gen2」という条件で調べてみると多くのラインナップがあります。
条件を揃えるためすべて1TBモデルです。
※基本的には初期フォーマットは「NTFS」ですが、Android・iPad系の適合があるものは「exFAT」でフォーマット済
諸元/製品名 | ESD-EMA1000GBK | ESD-EXS1000GBK | ESD-EMH1000GBK | ESD-EMB1000GBK | ESD-EPK1000GBK | ESD-EWA1000GBK |
ストレージ容量 | 1,000GB | 1,000GB | 1,000GB | 1,000GB | 1,000GB | 1,000GB |
スライド式/キャップ式 | スライド | キャップ | スライド | スライド | ノックスライド | スライド |
最大読み込み速度(MB/秒間) | 500MB/s | 600MB/s | 1,000MB/s | 1,000MB/s | 600MB/s | 600MB/s |
最大書き込み速度(MB/秒間) | 480MB/s | 500MB/s | 980MB/s | 700MB/s | 500MB/s | 500MB/s |
コネクタ形状 | USB3.2-A | USB3.2-A | USB3.2-C | USB3.2-A | USB3.2-A | USB3.2-A+C |
接続インターフェース | USB2.0~USB3.2 Gen2 | USB2.0~USB3.2 Gen2 | USB2.0~USB3.2 Gen2 | USB2.0~USB3.2 Gen2 | USB2.0~USB3.2 Gen2 | USB2.0~USB3.2 Gen2 |
ボディ材質 | アルミ? | プラスチック | プラスチック | プラスチック | プラスチック | プラスチック |
ストラップホール | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
サイズ | 幅67.3mm×奥行22.1mm×高さ9.5mm | 幅35.9mm×奥行15.0mm×高さ7.3mm | 幅64.0mm×奥行22.5mm×高さ8.0mm | 幅67.3mm×奥行23.0mm×高さ8.6mm | 幅57.7mm×奥行20mm× 高さ10.5mm | 幅72.0mm×奥行き22.8mm×高さ8.8mm |
重さ | 15g | 6g | 12g | 13g | 11g | 16g |
電源取得方法 | USBバスパワー | USBバスパワー | USBバスパワー | USBバスパワー | USBバスパワー | USBバスパワー |
コンソールゲーム機 | PS4/PS4PRO /PS5 | PS4/PS4PRO /PS5 | PS4/PS4PRO /PS5 | PS4/PS4PRO /PS5 | PS4/PS4PRO /PS5 | PS4/PS4PRO /PS5 |
その他ハードウェア対応 | 各社TV/レコーダー | 各社TV/レコーダー | 各社TV/レコーダー/iPadOS 16&Android13対応 | 各社TV/レコーダー | 各社TV/レコーダー | 各社TV/レコーダー/iPadOS 15/14&Android 12/11/10対応 |
その他特徴 | 公式SSDページにはなく、別ページで案内中 | 最小シリーズ | タイプC端子専用 | 2TBモデルのみ書き込み800MB/s | 抜くと自動で端子収納 | USB-AとCの双方向スライド |
今回紹介する「ESD-EMA」シリーズはなぜかエレコム公式からリンクをたどると外付けSSD一覧に出てきません。
Googleから型番検索するとページ自体はこちらに存在します。
さてESD-EMAシリーズをほかのモデルと比較すると
- 速度はエントリーモデル
- アルミ筐体
- 金属筐体のためかわずかに重量が重め
- Amazonなどのセール時にはスティックSSD最安
という特徴があります。
なかでもセール価格はSSDタイプとしてはとても安価(250GBで最安2,760円)で、速度はある程度我慢してUSBメモリの置き換えによさそうな製品です。なおアルミ筐体であることに関してはAmazonなどのECサイトでの表記で、エレコム公式や同直販トショップではその情報は得られませんでした。
エレコム ESD-EMA0250GBKを使ってみた
検証は誰でもできるごく一般的なもので、
- CrystalDiskMark 1GiBおよび64GiB
- 3DMark Storage Benchmark(ゲーム置き場や録画時の挙動)
- 約105GBの実際のコピペ時間と平均転送率
の3つで確認しました。3Dmarkのみ少額の有料ソフトですが、こちらもStaemなどのセール時を狙えば非常に安くあがります。
なお足元へ設置しているPCであるため、背面のUSB3.2 Gen2端子の不便さを補うべく【Inateck USB3.2 Gen2 ハブ(PC側はUSB-Aタイプ)】を使用。各ベンチでPC直挿しと比較しても速度低下はまったく起きない優秀な製品です。
また高速規格のハブ自体も発熱が気になる製品がありますが、こちらはほんのり暖かくなる程度でおすすめ製品です。
さらにケーブルが長い1mが選べるのがポイントが高いです。
ESD-EMA0250GBK vs CrystalDiskMark
まずは定番のベンチソフトで1GiBと64GiBの2種類でベンチを取りました。またCrystalDiskInfoの温度グラフで発熱もチェック。
上画像が1GiBでの結果。最高温度は54℃で、公称値のシーケンシャルリード500MB/sおよびリード480MB/sはクリア。
次に64GiBでのテスト結果。こちらも最高温度は稼働時間が長いにもかかわらずおなじく54℃。もちろん転送速度の落ち幅も小さめでまずまず。なおソフト各項目の数値は複数回試行の単なる瞬間最大値です。実作業上ではあまり参考になりません。
そこでゲームや録画作業に特化した【3DMark Storagebenchmark】と実態に即した使い方を想定できる【DiskBench】を使ってみます。
ESD-EMA0250GBK vs 3DMark StorageBenchmark
スコア的には内部6GbpsであるSATAタイプのSSDであるため目安となります。なおSanDisk Slim ポータブルのスコア(336)の約2倍です。
読み込みメインのゲーム置き場としてはまぁ使えるかな、という印象です。
しかしゲームによって読み書きのディスクアクセスの度合いがかなり違うため、タイトルによってはボトルネックになりそうです。
また1080p@60Hzのゲーム録画ベンチに関しては平均が55MB/sなので問題はなさそうです。
ESD-EMA0250GBK vs DiskBench:まさかの結果
最後にDiskBech(公式:Nodesoft Disk Bench)で転送にかかる時間を正確に計測。
上の画像はエレコム ESD-EMA0250GBKからPC内蔵のNVMe SSDであるWD SN770へにコピペした時の時間と平均転送率です。読み取りは速いです、読み取りは。
次にWD SN770からESD-EMA0250GBKへの書き込みのパターンです。
お、遅っ!まさかの遅すぎ!
105GB書き込むのに35分近くかかりました。
サーマルスロットリングもしくはキャッシュ切れを起こしているのかもしれません。
そこで下記デメリットの項でもう少し検証します。
ESD-EMA0250GBKのデメリット
AmazonにてPCを活用した用途での「悪い評価」(おおむね星1つから2つの評価)をまとめると
- (大容量ファイルの)転送速度がみるみる低下していく
- 発熱がすごい
というレビューが散見され、実際いくつかのレビュー通りの挙動でした。
ESD-EMA0250GBKの転送速度
DiskBenchの105GBほどのコピーの検証中にタスクマネージャーを見ていると、スタートは400MB/s前後をキープします。
その後7MB/s前後でたまに200~300MB/s前後に復活。しかしすぐさま低下、を定期的に繰り返します。
手元の2本で複数回実行していると、とある傾向がうかがえます。
- 開始から2分~2分30秒ほどの間は目視で400MB/s前後を維持
- その後書き込み量60GB前後で7MB/s~8MB/sへ低下
- 一瞬200~300MB/sほどに復活し再度7MB/sに低下
- 以後繰り返し
つまり大容量のファイル移動には適さないですね…
さらに60GB付近でのキャッシュ切れに目星をつけつつ、適当な容量で27GB、50GB、61GBと3回の書き込みベンチを行いました。
すると61GBパターンのとき、目星どおりに終了間際で速度低下が発生します。
例えば105GBなど大容量の書き込み直後に、4GBや5GBあたりの書き込んだ場合、上の画像のように速度は初速よりも下がりつつも比較的維持されます。
なお105GBを書き込んだ直後に30GB弱を書き込もうとすると、数秒でキャッシュ切れのような症状が出ます。(上の画像)
これらから想定すると使用する用途にかなり注意が必要です。
- 比較的小容量・小サイズのコピー・移動
- 間欠的な書き込み
このような使い方であれば高速な書き込みを維持でき、満足度の高い製品と感じるでしょう。
逆に
- 大容量ファイルを移動
- (分割した場合でも)連続で大きなサイズをコピー
- 高解像度録画のような高転送レートで長時間で連続してディスクアクセス
という使い方では何かしら問題や不満が出る可能性があります。
ESD-EMA0250GBKの最高温度は不明
さらにベンチ中CrystaldiskInfoおよびHWinfoでは常時「54℃」を表示したままです。
ちなみに手で触ると、心配になるくらい高温になっています。
ここである疑惑が浮上【最大表示54℃固定?】
室温の高低にかかわらず、どんなに負荷を書けても最高がキッチリ「54℃」で全くバラつきません。
触った感じは、例えば以前の記事のSanDisk(最高89℃)と同等かそれ以上に感じます。
しかもベンチが終わっても54℃表示からしばらく下がりません。
時間がそれなりに経つと下がるため、最高温度をマークする場所ではないところから温度をとっているのかもしれません。
高温になりがちなNANDコントローラー(CPU的なパーツ)が90℃やそれ以上なのかもしれません。
しかしソフトウェアからの可視範囲が最大54℃のため、それ以下に冷えるまでの時間がかかることでしばらく54℃張り付きに見えていると想像しています。
因みにAmazonレビューでも「負荷時の温度は54℃」の書き込みがありましたので個体差ではありません。
ちなみにSanDiskもかなり熱くなれど転送率の低下がそこまでではありません。
公称スペックが高めで安価なものにはそれなりの理由があるといったところでしょうか。
まとめ
今回は高速!コンパクト!安い!とうたわれるエレコム ESD-EMA0250GBKの同じもの2本を使ってザックリ検証してみました。ちなみに2本とも全く同一の挙動です。
USB3.2 Gen2という的高速なインターフェースの製品で、定番のCrystalDiskmarkでは公称でうたわれる読み取り・書き込み速度以上でした。
数GB単位のバックアップには間違いなく進化を発揮し、その携帯性の良さからUSBメモリの代替として活躍できるでしょう。
保存容量の幅もUSBメモリよりの大きいため利便性は高いです。
反面、実際の操作で多いと思われるコピペ作業において、大容量サイズの移動で速度がかなり悪化してしまうという特性が見て取れます。
管理人の環境ではストレージが空の状態でスタートして、60GBを超えるあたりで急激に低下します。
ESD-EMA0250(250GBモデル)の速度低下の原因は
- キャッシュ切れ
- サーマルスロットリング
- (仮説)速度低下しやすいQLCのため
という3つの可能性があります。
ストーレージの4分の1、もしくは3分の1ほど容量が埋まると速度が大きく低下する場合もあるQLCの特性に何となくマッチしているような…
なおキャッシュ切れのポイントはストレージ容量によっても変わり、Amazonでは500GBモデルの場合130GBあたりがキャッシュ切れポイントと指摘されているレビューもあります。
Amazonでは平均4.4(500以上の評価数)の高評価ではありますが、定評も散見。
これはおそらく使用用途で評価が大きく分かれています。
また温度に関しては総じてコンパクトな製品は高発熱の傾向です。
サーマルスロットリングも発生しているのかもしれませんが、最大54℃までしか表示できず判定が困難。
以上の傾向から大容量なファイルでも絶対的な高速性が必須!とするならば、スティック型よりもUSB3.2 Gen2や2x2対応、もしくはThunderbolt対応ケースに高速なm.2 NVMe SSDを入れて使用することを推奨します。
もしくは低速化しつつも平均200MB/s以上を維持してくれる、同じエレコム製ESD-EMCシリーズがおススメです。
USB 3.2 Gen 1規格で低速な規格ではありますが、大容量ファイルのコピー速度において素性はそれほど悪くありません。
ただしネット上の情報と手前の環境でベンチ結果やコントローラーが仕様変更になっているようで、容量や購入時期によっては変更される可能性もあるのが懸念点。
さて用途を変えてみます。
普段の小サイズなファイルの持ち運び用に1ヶ月間使用してみました。おまじない程度ですが、紛失を考えて暗号化を施しています。暗号化領域は約20GBです。
内部には総計13GB、ファイル数33,000ほどあり、小サイズなファイルばかりの構成。普段は新しくファイルを作成したり、Excelファイルを更新したりと複雑な作業は一切行いません。
こういった用途だと俄然メリットを大きく感じます。比較的高速タイプのUSBメモリを使用していましたが、暗号ファイルの復号時のスピードは劇的に速くなりました。毎日欠かさず何かしら読み書きを行う用途ですが、鈍足さは全く感じません。
ゆえに小サイズなファイルの持ち運び、小サイズのバックアップ用途にはベストマッチ。
このように運用するファイルサイズで大きく印象が変わるデバイスでした。
ただししばらく使っているとCrystal Disk InfoおよびHWiNFO64上での温度は54℃に張り付いた状態になり、正確な現在温度は分かりません。
つまり…温度は高いので夏場で高温な環境で操作するのは少しリスキーに感じます。
以上【使用する用途や書き込む量よっては注意せよ】なストレージである、エレコム ESD-EMA0250GBKの紹介でした。
高速スティックSSD探しの旅はまだまだ続きそうです。
では!