こんにちは!
最近いろんなジャンルのアプリ・ソフトを片っ端から試してるゆびきたすです!
仕事効率化という永遠の課題です。ストレージのグレードアップって「時短」を担う重要なパーツなんですよ。
「最近自分のパソコンがものすごく遅い。替え買い時かな?」
パソコンを丸ごと買い替える事はもちろん効果はありますが、少し待ってください!
購入時に予算をケチってしまったから…そんな場合パソコンそのものが遅いというよりもストレージが遅いだけの可能性が大いにあります。
なおOSサポートが切れてしまったPCはハードウェアが古くセキュリティ的にも脆弱なので買い替え必須ですよ。
管理人はおよそ10年ほど前に初めてSSD搭載のPCの感動を未だに忘れられません。
デスクトップが表示されて操作できるまで待つ必要はほぼゼロ。
本当のボトルネックはCPUやメモリではなくストレージのスピードだ!
起動すら遅い場合ストーレージが原因の確率が高いです。必要性が薄いにもかかわらず無駄にCore i7のPCなんかを購入するのは悪手と言えます。
因みにその感動(笑)のパソコン(Intel 4770)は長男のゲーミング用途としてWin10にアップグレードして現在も元気にサクサク稼働中です。
つまり現在OSのストレージがHDDの場合、SSDに換装することで劇的な快適性を得られます。
しかしそのまま換装するとOSの再インストール(もしくはリカバリ作業)に加えて任意のソフトの再適用など面倒な作業が避けられません。
できれば元の環境をそのまま新しいSSDへ載せ替えたいと思いませんか?
そこで今回はHDDから大容量SSDへ乗り換えを行う時に便利なソフトウェアを紹介します。
もちろん現在SSDであっても容量が大きなものを換装したい場合にも使えます。
それがEaseUS(イーザス) Disk Copyというソフトで、機能を絞った【クローン】特化型なシンプル製品です。
なおEaseUS Softwareに関しては特殊な「困った」を解決するパーティション操作ソフトでも記事にしています。
【EaseUS Partition Master Pro】レビュー:パーティション操作や復元・クローンもOK!<PR> - 電子徒然雑記 (creas-labo.org)
なお混同されがちなクローンとバックアップの違いは以下イメージを参考にしてみて下さい。
クローンは手っ取り早く全く同じ構成の双子ディスクを作成できます。
対して(丸ごと)バックアップはディスクの構成をそっくりそのまま独自ファイルで保存する機能で、その後クローンディスクをいつでも作成でき、今回のDisk Copyはこれに該当します。
なおバックアップ方式はひと手間かかる反面、もし移行した環境がおかしくなってもバックアップ時点にいつでも再クローンができて戻れるのがメリットです。
さて地政学的な意味でマルっと危険視されることも多い中国企業ですが、EaseUSのソフトの安定性は問題なく合格点です。2023年後半までにおよそ30回/6環境で使ってみましたが、簡単かつ今のところ失敗はありませんでした。このあたりは環境依存もあるので参考程度に。
管理人が半年以上にわたり使用・検証してみた結果
(OSが起動しない救世主の)ブータブルメディアも使用でき、複数環境でも相性問題は発生せず安定動作。
もちろんクローン後の起動やOSのシステムチェックやセキュリティスキャンでも問題無し
なお当ブログではクローン作業やOSバックアップでは【ブータブルメディア】からの操作をおススメしています。OS起動中の整合性の不一致や各種自動アップデートなどの外的な影響をできるだけ除外するためです。
EaseUS Software Co., Ltd 会社概要
EaseUS(読み:イーザス)は、中国四川省成都市に本拠を置くグローバル企業です。
2004年に中国のChengdu Yiwo Tech Development Co. Ltd.によって設立されたソフトウェア会社。
データ復旧、バックアップ、ディスク管理ソフトウェアを得意とし、160ヶ国を超える世界中でサービス展開しています。
著名なソフトウェアに「EaseUS Todo Backup」などがあります。
EaseUS Disk Copyの概要:To Do Backupとの違いは?
EaseUSには「EaseUS Todo Backup」というバックアップソフトで有名な製品がありますが、その違いを簡単にまとめてみました。
なお基本機能の制限のない有料版「Home」エディションとの比較です。
EaseUS Disk Copy Pro | EaseUS Todo Backup (Home Edition) | |
別ディスクに各種バックアップ | ||
各種バックアップファイルからの復元 | ||
セクタ バイ セクタ方式のクローン | ||
ディスクのクローン(システム/ディスク/パーティション) | ||
システムの移行(異なるハードウェアへのOS移行) | ||
1ヶ月間ライセンス(1か月内アップグレード可) | 2,629円 | 2,629円 |
1年間ライセンス(1年内アップグレード可) | 3,795円 | 5,258円 |
永続ライセンス(永続的にアップグレード可) | 7,480円 | 10,549円 |
厳密に言えばDisk Copyは双子の兄弟を作る「ディスククローン」ソフト、Todo Backupは「バックアップ」ソフトです。ただしTodo backupの有料版はクローン機能も内蔵しています。
意外にもDisk CopyとTodo Backupの1ヶ月間契約の金額は同じです。そういう意味ではTodo Backupの方がバックアップ機能がある分お得に感じますね。しかしバックアップ機能に関してはパソコンを使用する限り永続的に行うものなので、バックアップ機能メインで選択するには1ヶ月間は短すぎます。
反対にバックアップ機能が不要なら機能最小限のDisk Copyで充分です。
因みにHDDなどオリジナルのディスクは手元に残るので、購入したSSDが初期不良だった、などの場合再クローンを行うことも可能です。
また公式ではDisk Copyに関するトピック記事を網羅したページもあります。
解説にやや助長な部分も多いのですが、参考にしてみて下さい。
無料はどこまで使えるのか確認
もともとフリー版で同じ機能を提供していたのに途中から有料となることはよくあること。開発環境・人材確保、サポートのコストなど、長く開発や販売を続けていくためには無料であり続けることは企業にとって困難でしょう。
そうは言っても無料体験版も配布されているため、実際どこまで使えるのか興味があったので試してみました。
結論はクローン設定の最終段階、ソースディスクとターゲットディスクのイメージ表示まででした。そこからクローンの「実行」ボタンを押した瞬間購入画面が表示されます。
実際のクローン作業は1mmもできないのでフリー版を探している方には悲報かと思います…
ディスクコピーの方法(1)インストールソフトからクローン
EaseUS Disk Copyはコピーと名の付くものの、実際は【クローン】に特化したソフトウェアです。余計な機能が一切ないだけに、シンプル・イズ・ベストを地でいきます。
パーティションのクローンも可能ですが、使いどころが難しかったりするのでディスクのクローンの方法を中心に解説。
なお初回の検証は仮想マシン上で行いました。
操作はいたって簡単。以下のように【ソースディスク】、次の画面で【ターゲットディスク】を選択します。
なお【ソースディスク】とは今まで使用していたディスクのこと。逆にこれから移行する先の新品のSSDなどは【ターゲットディスク】です。
※ソース選択画面の左下の【セクターバイセクター方式コピー】については後述します。
次へ進むと「ターゲットディスクに万が一データがあると全消去されますよ」というアラートがでます。最初にフォーマットを掛けるためだと思われます。
そして最終段階。ソースとターゲットディスクのイメージ図が表示され、最終設定を行います。
まずソースとターゲットのディスク容量に相違がある場合です。初期状態では【ディスクを自動調整】の設定です。
ソースは64GBのディスク、ターゲットは500GBです。自動調整では余りの空白領域がOSパーティションの容量に割り振られます。
対して【ソースとしてコピー】を選択すると、そのままのサイズでクローンされます。
空白領域は「未割り当て」となりそのままではエクスプローラ上からは見えませんので注意を。
最後に【ディスクのレイアウトを編集します】のモードですが、おかしな操作をすると別のパーティションソフトで編集するハメになります。不慣れな方は手出し無用のモードですね。
もう一つチェックするのが「ターゲットディスクがSSDの場合、オプションをチェックします」の項目。おそらくSSDのアライメントのズレを補正する機能と思われます。今回はどちらもSSDなのでチェック不要ですが、HDDからSSDの場合は必ずチェックを入れます。
あとは右下の【実行】をクリックすればクローン開始です。
ソースディスクが64GBと小容量、なおかつNVMe-SSDからSATA-SSDとそこそこ高速な組み合わせなため4分強の短時間で完了しました。
ディスクコピーの方法(2)より安全なブータブルUSBからクローン
紹介する素材は2021年製の富士通ノートPC。ノートPCの場合、分解作業のハードルが高い場合があるので事前にバラし方の調査は必須です。破損させる危険性を考慮しておきましょう。
SSDへの交換の効果が最も分かりやすい2.5インチの低速なHDD搭載機ですが、WindowsUpdateを重ねたりインストールソフトが積み上がるとその動作の遅さにストレスを感じることが多々です。
検証機の起動直後はHDDのディスク使用率が100%貼りつきが何分も続きイライラが募ります…
そこで2.5インチSATAタイプのSSDにクローンを施してみます。
なお管理人は基本的にブータブルメディアからの起動でクローンを行います。
(同じくバックアップも)
なぜブータブルUSBをわざわざ作ってクローン?
理由は簡単。システム起動時のような外部の影響が一切ない状態でクローンできるから
システム起動中のクローン作業では、他の操作を行うことは基本避けなければなりません。なぜならファイルの整合性が取れなくなる可能性があるからです。無操作でもWindows起動中はバックグランドで様々なプロセスが走っています。もちろんディスクの読み込みも書き込みも行われています。
できるだけこれらの影響を無くす一番の方法は、OSが完全オフラインの時に外部ハードウェアからクローンすること。
クローン用途のソフトウェアではそのあたりの対策もされているかと思いますが、小心者ゆえ用心に用心を重ねています。
まずはインストールしたパソコンでブータブルUSBメモリを作成します。
内部に2GBほどのパーティションを作成するようなので、容量は最小の4GBもあれば足ります。( 因みにエクスプローラから見ると隠しパーティションになっているのか空のUSBに見えます)
作成はウィンドウ内の案内に従うだけの簡単操作です。
使用済みのUSBメモリの場合、中身は全てフォーマットで消去されます。
このブータブルUSBを使ってクローン化してみます。
新品のSSDを接続するには、SSD側の「SATA端子」をUSB端子に変換するパーツを使用しました。電気的な安定性を考慮したACアダプター付。
通常通り起動すると内部のHDDから起動してしまうので起動順を変更し、USBメモリから起動できるようにします。例として富士通PCは起動時にファンクションキー【F2】をトントンと連打するとマザーボード設定プログラムのUEFI画面に入れます。
操作としては以下の手順です。
- F2(メーカーによるので「
メーカー名Bios起動」などで検索)押下でUEFI起動 - 上部タブで「起動」「ブート」など起動に関するものをキーボードの矢印操作で選択
- 画面右欄などに表示される操作ガイド(下写真では「項目ヘルプ」)に従いUSBメモリを最上位に移動
※作業終了後は必ず戻すこと - 上部タブで「終了」など設定終了に関する項目にキーボード操作で移動し「保存して再起動」などの表現の項目を選択
以上でUSBで起動(ブート)できます。
なおマザーボードのデフォルトの設定によってはUSBメモリからの起動・操作が困難な場合もあるためご注意を。
(主にセキュリティ設定関係:Bitlockerなど)
下手な操作を行うと起動できなくなってしまうので慎重さが必要です。
USBメモリにてブートしたEaseUS Disk Copyの起動ウィンドウは以下の画像。操作的にはインストールされたソフトと何ら変わりません。
※なぜか言語が英語になってしまっていますが、内容はインストールソフトと同じです。
- ソースディスク選択→NEXT(次へ)
- ターゲットディスク選択→NEXT(次へ)
- ディスクのパーティション構成を確認、ターゲットディスクがSSDの場合は「ChecktheoptionifthetargetisSSD」にチェックを入れてProceedをクリック
これでクローン完了を待つのみです。
500GB HDDから500GB SSDかつ使用領域 GBのクローンでおよそ18分でした。これはHDDが正常なケースで速い方です。
クローンされたSSDをノートのHDDと入れ替えを行うのですが、デスクトップと比較してノートPCの分解作業がかなり面倒なことがあります。内部のコネクタ外しは破損のリスクもあるのでご注意ください。
今回の富士通は換装直前で以下のような状態までバラします。富士通は基本底面パネルから外す構造ではないためかなり面倒なパターンです。
電源ボタン周りのパネル、キーボード、金属フレーム、モニターヒンジ部などかなり分解が必要です。
もちろんこのあと無事に起動できました。3日間ほどいろいろ触って異常がないか確認。現状動作は全く問題ありませんでした。
このような感じでブータブルUSBメモリによるクローンも簡単に完了!因みに換装作業の方が100倍大変。
セクターバイセクター方式のコピーとは
セクターバイセクター方式のクローンはHDDもしくはSSDを構成する最小単位「セクタ」領域を1つ1つそのままクローンすることを意味します。
デフォルトではチェックは入っていません。
そもそもまずクラスタという単位。HDDを例に挙げるとOSはファイルをクラスタという単位で管理しています。
クラスターは複数の「セクター」という記憶装置の最小単位で構成された1つのグループです。
そして使っていくうちにHDD内の1ファイルは複数のクラスタに分割されて記録されるようになります
HDD内では「シークヘッド」と呼ばれる読み取り装置がディスク上を右往左往して断片化したファイルを読み込み、結果として1つのファイルとして読み込みます。
例えば「ファイルA」という1つのExcelファイルがあると仮定します。
見た目は1つのファイルですが、実際は下の画像のように断片化しているケースがあります。
例えば「A」という1つのファイルが例えば5つに断片化したイメージ。複数クラスタで分割されているということはすなわちセクターでも分割されているということ。
1ファイルを構成するクラスタがあちこちに点在すればするほどシークヘッドは忙しくなり、結果として読み込みに時間が掛かるようになります。
これがいわゆるファイルの断片化であり、それを再配置して解消するのが【デフラグ】です。
なおSSDでは構造的に別ものなのでデフラグは行いません(やってはいけない)。
通常のクローン(=「セクターバイセクター方式」のチェックを入れない状態)では、あちこちのクラスタ(の中のセクターも)に散らばるファイルを1つにかき集めて連続して1ファイルとして連続書き込みします。これをクローンすると以下のようなイメージ。
セクターバイセクター方式はソースディスクのセクターをターゲットディスクにそのまま書き込みます。ディスクのスタート地点から端から端まで全く同じように書き込みます。空き領域もそのまま空き領域として、
※画像は抽象化したものです。
通常のクローン方式には弱点があり、もしソースディスクに不良な領域(不良セクター)があるとエラーでストップしてしまいます。
これではクローンが進みません。
そこでEaseUS Disk Copyのセクターバイセクター方式を使います。
エラー部分のスキップが可能なので不良セクターのコピーを飛ばして次のセクタのコピーを進める、といった具合です。
余談ですがデュプリケーターともいわれるクローン用のハードウェアもあります。
現在入手している製品は比安価な製品ながらエラースキップ機能付きで困ったときの最終兵器でもあります。
パソコン自体が起動不能でもディスクさえ取り出せばクローンできます。
シンプルゆえにソースディスク容量 ≦ ターゲットディスクの状態でしかクローンできないので、使い勝手はケースバイケースですね。
EaseUSのセクターバイセクターはこれと同じ機能を「ソフトウェア上」で行うものです。
そのため万が一、通常クローンの作業でエラーでストップしてしまう場合はセクターバイセクター方式を試してみることもできます。
しかし注意点があります。
因みに大容量なディスクだったりソースディスクが不調で転送速度が低下していた場合、数日掛かるケースもあります。
更にソースディスクが物理的に壊れる寸前の場合、トドメを挿す可能性もあります。
まとめ
今回はEaseUS Softwareの【Disk Copy】というツールを試してみました。
EaseUS Softwareの【Disk Copy】のメリットは
- クローンソフトとしては必要にして充分な機能
- 通常クローンでエラー停止する場合は「セクターバイセクター方式」のクローンで成功する可能性あり
- ブータブルメディアの作成ができ、使用方法もカンタン
- 環境依存などで正常に動作しない場合、30日間の返金保証制度もあり
逆に注意点は
- 機能性で比較すると同社【EaseUSTodoBackup】と一部被っていてメリットが分かりにくい
- バックアップ機能は一切なし
- 万が一ソースディスクに不良セクターがあるとエラーストップする
- BitLockerでディスクが暗号されている場合はクローンできない可能性あり
※最後のBitlockerはハマリ度抜群なのでご注意下さい。セクターバイセクター方式で可能なケースもありますが、公式においても暗号化解除が最善策と案内されています。
対象ソフトはTodo Backupですが、Disk Copyも同じです。
暗号化されたHDDをSSD/HDDにクローンする方法 - EaseUS
またPCソフトウェア全般ですが、環境との相性でうまく動作しないケースでは、ますので、
このソフトウェアのトピックは
・操作が単純な単機能クローンソフト
・セクターバイセクター方式でエラースキップしてクローンも可能
・ブータブルUSBメモリで別のバックアップディスクを作っておくことも可能
機能性は低いですが、クローンソフトで必要な3つがキッチリ抑えられている佳作な製品でした。
シンプルなクローンだけを考えてるなら選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか。
では!