

こんにちは、充電が早くなってQOL爆上がりのゆびきたすです!
充電器なんてそこそこイイの買えば超高速充電できるんでしょ?
(答)いいえ、できませんでした。速攻で買い替えましたっ

急速充電器の界隈では圧倒的な知名度な某社をはじめ数多くの製品がひしめきます。
実際に購入を考えた場合、「知っているメーカー」を起点に探す人が多いと思います。
しかし有名・無名問わずさまざまな製品を使ってみると、なぜか期待した急速充電力にならない製品もあります。
「急速充電にならない」と思ったのは、簡易型の計測器の数値からです。
もちろん計測値が高いワット数のものは体感やタイム計測でも一致して高速です。
原因は規格やデバイスとの相性もありあそうです。
我が家では100Wを超えるモデルでは2台目となる【UGREEN PD100W 4ポート充電器】を実地検証してみます。いくつかのデバイスでは充電性能が頭打ちになっているので、余裕のあるXiaomi 11T Pro(独自120W給電モデル)での差異に期待。
なお下記のケーブルを常用しています。つるりんとしたケーブルで絡まりにくい質感が最高です。
ケーブル自体は最大100W給電をうたい、焼損などを防ぐeMarkerチップによる5A対応のケーブルです。最近のケーブルはチップが内蔵されているとはハイテクですね。(安全性を担保するためもあり価格も高いのだと思います)
ただしデータ通信の方はUSB2.0(最大480Mbps、60MB/s)なため、「高速データ転送も兼ねて」と考えている場合にはご注意を。
※高速給電対応だけどデータはUSB 2.0規格という製品が数多くあります

ケーブルを簡易的なUSBテスターでeMarkerの読み出しをしてみました。

キチンと20V×5A=100Wに対応したケーブルです。
なおチップのない製品を指してみるとこんな感じで情報が表示されません。

他にはApple Storeでも販売されているBelkinなども高品質なケーブルで有名です。
こちらも通信性能はUSB2.0に準じた規格となります。

UGREEN 100W 卓上PD充電器の概要と特徴

さてAmazonを徘徊しているとモバイル充電機器やUSBやHDMIなどケーブル関係でほぼ確実に目にするのがUGREENというメーカーです。
比較的有名ですが詳しくは知らない人も多いのではないでしょうか。
UGREENとは?

UGREENは
- 中国の深圳に本社を置くデジタルアクセサリーメーカー深圳市绿联科技股份有限公司のブランド名
- 2012年に設立
- 世界100以上の国と地域で販売
- USBケーブルやHDMIケーブル、充電器、ハブ、イヤホンなど幅広い
UGREENは品質と価格のバランスが取れた製品で、Amazonをはじめ日本国内ECサイトで非常に人気の高いメーカーです。
技術開発にも積極的でGaNやPower-Xシステムなどの最新技術をいち早く取り入れています。
筆者も気が付けばケーブルなど同社製品を数えきれないくらい使ってきました。
仕様

新品時はピタッとした保護フィルムで包装されているので未開封品か否かの判断が付きやすいです。コストが掛かる部分ですが、紙箱むき出しではないのは安心。
開封してみます。付属品は以下の通り。写っているケーブルは電源ケーブルで長さ2mです。


4ポート給電可能な筐体は「ほどほどに」コンパクトと言えます。
- サイズ・・・870×x840x30mm
- 重さ ・・・290g
- 電源ケーブル長さ・・・2m

対応する充電規格は以下の通り。USBポートの種類は充電器側の端子形状です。
また充電規格が乱立して分かりにくいのですが、充電したいデバイスが何に対応しているのか確認しましょう。
- 急速充電規格 USB-Cポート・・・PD3.0、PPS、QC4+(QC4.0/QC3.0)、SCP(10V/2.25A)、FCP、AFC、5V/2.4A、BC1.2等
- 急速充電規格 USB-Aポート・・・SCP(10V/2.25A)、QC3.0、FCP、AFC、5V/2.4A、BC1.2等
ポートや仕様規格による電圧などの対応は以下のリストです。充電ワット数は〇V×◇Aの掛け算でおおよそ計算できます。
C1とかC2ポートというのは、充電器のタイプCポートを上から順にた数えた連番です。
- USB-Cポート出力(C1およびC2ポート)・・・5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/5A (100W Max) PPS規格:3.3~21V/5A
- USB-Cポート出力(C3ポート)・・・5V/3A、9V/2.5A、12V/1.87A PPS規格:3.3~5.9V/3A、3.3~11V/2A
- USB-Aポート出力・・・5V/3A、9V/2A、12V/1.5A、10V/2.25A (22.5W Max)
- PPS仕様(1)・・・USB-C1/C2ポート:3.3~21V/5A(PPS 45W 超急速充電2.0対応※下位互換性あり)
- PPS仕様(2)・・・USB-C3ポート:3.3~11V/2A(PPS 25W 超急速充電2.0対応)
テスターで一応対応充電規格を確認してみます。

以前レビューしたUGREENの100Wタイプとはコンセント部や充電出力(例:PPS出力 MAX21V/3Aから21V/5A)など若干の相違があります。大きく体感で差異を感じることが少ないのですが、後に紹介するXiaomiスマホでは10W以上のMAX出力の違いがありました。
なお充電規格が数多くあり、非常に分かりづらいです。中国内メーカー大手の充電規格には当然対応しています。
- PD・・・【USB-IF】で策定された、タイプC用の給電規格でPD3.0では最大100W
- PPS・・・PDの追加規格「Programmable Power Supply」で充電状態により小刻みに電圧/電流を可変
- QC・・・米QUALCOMM社が策定した高速充電の規格(QC4+では最大36W)
- SCP・・・HUAWEIの独自規格で「Smart Charge Protocol」の略で22.5W対応
- FCP・・・こちらもHUAWEIの規格で「Fast Charge Protocol」の略で最大18W
- AFC・・・USB-Aコネクタ対応でSamsungの独自規格で「Adaptive Fast Charging」の略。15/25Wあり
- BC・・・【USB-IF】策定規格で「Battery Charging」の略。最大7.5W
なおUSBーIF(USB Implementers Forum)はUSB関連の仕様策定を行なう標準化団体のことです。
充電ポートの組み合わせ15通り
複数ポートの充電器ではお約束事項で、どのポートに接続するかで給電能力が違います。




高出力ポートはタイプ-Cの1番目(C1ポート)と2番目(C2ポート)で、普段はC1ポートを中心に使用することとなるでしょう。
実際に4機種で充電して計測

最新デバイスのiPhone15などで検証したいところですが、あいにく手元にないので古い機器で検証してみましたが、充電能力の恩恵は十分に感じました。
- 2021年9月新発売のiPad mini6
- 2021年11月新発売のXiaomi 11T Pro
- 2017年11月発売のiPhone X
Apple iPad mini6では最大18W~19W

どのメーカーも必ず対応をうたうAppleデバイスであるiPad mini6で計測しました。
min6には元々「20W USB-C 電源アダプタ」が付属し、ネット上の情報からも最大20W前後が最大充電量と思われます。

バッテリーが極少のときには理論上の18W以上で充電できました。満足です。
純正では120W給電可能な独自規格の11T Pro

Xiaomi 11T Proでは純正充電器だと最大120W給電可能な「Xiaomi HyperCharge」機構を備え、実際にタイム計測すると18~19分ほどで5,000mAhが満充電になる驚きの充電速度です。
ただ独自規格色が強く、3rdパーティ製の充電器では正常に高速充電できるのか不安ですが、良い意味で期待を裏切ってくれます。

70Wを超える出力で最高72Wほどで充電できました。
過去レビューした同じ100WタイプのUGREEN充電器よりも更に10Wほど高給電でした。見た目が非常に似ていてスペック上では差がなさそうですが実際は上回りました。
因みにバッテリー切れで落ちた後タイム計測を行うとおよそ24分ほどで100%表示になりました。30分かからずで満充電に近い状態になるので、例えば朝バッテリーが少ない場合にものすごく重宝します。
なお100%表示でも完全な満充電ではなく、バッテリー保護のためコンマ数ワットでしばらく充電は続きます。
超くたびれたiPhone Xではどうか

- iPhone X (2,716mAh)・・・独自規格の給電(付属充電器5W)、最大18W前後との情報がある
続いて「バッテリー最大容量 81%」のレッドカード状態のiPhone Xです。
バッテリーのくたびれ具合で給電状態が変化するのかは不明。
デバイスも新品、純正付属品を除いて充電器も新品というドンピシャな状態はなかなか無いと思うので検証には良い機会かと思います。
さてiPhone Xにおいては正確なテストもできそうにないのでバッテリー残量35%あたりと多めに残した状態で行ってみました。

当初18W近くを記録するもすぐに落ちてだいたい10~13W付近で充電中。

UGREEN 100W 卓上PD充電器の良い点と注意点
高速な充電を期待して購入し、結果ほぼメリットしか感じません。
ただしUGREEN製品特有の仕様が存在します。
UGREEN 100W 卓上PD充電器CD328のメリット

簡単に以下の点が当製品のメリットと感じました。
- 相性は皆無であった
- 充電中の発熱は常識の範囲内の温度感
- 電源ケーブル付なので設置スペースに融通が利く
- 滑り止めのゴム足付
- 4ポートタイプではぎりぎりコンパクト
- 未接続時は0W
充電能力は満足したところで、印象に残ったのが最後のポイント。
充電器の中には充電していないときにも微妙に電力を消費している製品もある中、UGREEN 100W 卓上PD充電器CD328はその点も優等生でした。

確認時間が短いので正確性の担保にはなりませんが、15分ほど見ていても0Wのままでした。基本的に書斎のデスク天板裏側へ隠すので繋ぎっぱなしになります。わずかとはいえ未使用時には0Wであって欲しいと感じます。

なお初めに購入した製品は基本0Wなのですが、30~40秒に1回ほど0.3Wほどの消費電力がありました。接続の確認でも行っているのでしょうか…
UGREEN 100W 卓上PD充電器CD328のデメリット

1点使用する上で注意していただくポイントがあります。
- 2台目のデバイスを接続すると、一度リセットが掛かり瞬断する
再接続することにより給電量を正確に再計算するものだ機能ですが、例えばバッテリー機能のない製品の電源の供給に使用しているとき、別のデバイスを接続すると落ちてしまいます。
ほんの数秒で再給電されますが、切れたら困るデバイスを接続する場合には注意が必要です。
これは過去レビューしたUGREEN 100W充電器でも全く同じ挙動で、UGREEN製品特有と言えます。
まとめ

期待した某社の高出力充電器に相性問題(らしきもの)に当たってしまい意気消沈したものの、再びUGREEN製充電器に落ち着いてしまったという記事でした。
筆者環境下でのデバイスによる相性は現状UGREEN製品2機種共に発生しておらず、家族各種デバイスも高速で充電できているため好評です。
デメリットの1つに挙げた瞬断の問題ですが、現状はスマホ、タブレット、子供が学校から支給されているChromeBook、コンパクト掃除機などバッテリー内蔵製品中心のため不具合はありません。
しかしバッテリーを内蔵しない機器かつ瞬断が起こると困る用途のものにはご注意下さい。
もし他社製品で高出力のハズの充電出力が低い…とお困りの方がいましたら今回の記事を参考にしてみて下さい。当該製品がたまたま不調だったケースも考えられるのでメーカーや製品名は伏せさせていただきます。機会があったら同メーカー製の他製品も試してみようと思います。
電子の力で時短生活。高速なモバイル充電器はQOLを爆上げするモノ。これからも「速い」モノを紹介します。
では!